2012年12月4日火曜日

全米で一番大きなナーセリー



 昨日はコスタ・ファームズという、全米で一番大きなナーセリーに視察に行ってきました。どのくらいの大きさかというと生産面積が約1700ha、従業員は約2,800人、パートも含めると4,500人という規模だそうです。機械のメンテもスゴい量なので自社で修理工場を経営したり、培養土も年間に数千コンテナ使うので培養土会社を経営したり、中国からの輸入資材も常時40コンテナくらい在庫しているので中国資材会社を経営したり、まあ、規模が大きいです。
 折角なのでアメリカの業界動向について聞いてみました。現在、アメリカの園芸業界は大手の生産者20社くらいでだいたい動いているそうです。この20社は育種会社と直接契約をし、自社で苗生産をし、小売店に直接販売をしています。種苗会社もベンダーも介在しません。そんな隙間は無いそうです。
 では、この20社以外の中小生産者はどうやっているかというと競争力で負けて来ており、安全な経営の選択として大手20社の下請けになってきているとのことです。しかし、コスタ・ファームズにも下請け生産者が身売りをして来ており、それがコスタ・ファームズの規模拡大に拍車をかけているそうです。
 どうして大手が伸びているのか?どうして彼らは大手になれたのか?会社により色々な特色はありますが、だいたい共通している事は「どれだけ販売店のワガママを聞けるか。」だと営業部長が言っていました。「競争になれば相手の要望を聞ける方が勝つに決まっているだろ。」なるほど、おっしゃる通りですね。コスタ・ファームズの本社農場があるフロリダ州のマイアミはアメリカの東の南の一番下です。フロリダ州を出るのにも車で8時間かかるそうです。西海岸のカリフォルニアまで大型トラック一台45万円かかるそうです。それでも西海岸の生産者に勝つ為には、価格はもちろん、どれくらいカスタマー・サービスが出来るかにかかっているそうです。

 さて、日本の生産者の皆さんはどうでしょうか?あまりにも比較対象が大きいので、現実的な所から考えてみましょう。例えば、最近は一部の花壇苗生産者の間では年間生産品目を紹介する綺麗なカタログが作られ、出荷時期、生産規格、生産量、希望単価、などが明確に分かる様になってきています。綺麗な印刷をしなくても、カラー・コピーでも良いので、自分の生産している品目の紹介は写真入でするべきだと思います。弊社だって生産者に種苗を販売するのに、品種を紹介する写真や苗規格などの情報は生産者にとって必要ですものね。だから、販売店の方々にとっても同じだと思います。その他にも、生産規格、出荷時期、希望単価、などは生産者の都合ではなく、販売店の都合に合わせられると良いですよね。その先を言うと色々と出てきますが、まずはその辺りから形にしていく事ってやり易いんじゃないですかね。

 まあ、どれだけ相手の気持ちを考えて仕事ができるかが大事なんじゃないかな、と思うのですが、かく言う私も、日常生活の中では家内の気持ちを考えられずに軽率な行動をとり怒られてばかりなので、なんとも難しい話なんですよねぇ・・・。