2013年9月21日土曜日

“類似品にご注意”って、無理でしょ。



先日、ケルンでspoga+gafaという展示会に行ってきました。ヨーロッパではガーデニング商品に特化した有名な展示会です。各資材会社はこの展示会を大変重要視しており、弊社が代理店を務めるシューリッヒを始め、大手の会社は揃って大々的に出展しています。

そんな中、今回気になったのは、オシャレなデザインのプラスチック商品で有名なelhoの類似商品が、複数のドイツ・メーカー、イタリア・メーカー、スペイン・メーカーなどから、かなりの量が出展されていた事です。中国やアジアの国からの類似品なら分かるのですが、同じヨーロッパのメーカーからの類似品なんですね。まあ、それだけelhoの影響力が大きいからなのでしょうが、どうも節操が無い様に感じました。

そこで、elhoのセールス・マネージャーに、他社の類似品についてどう思っているのか話を聞いてみました。
彼曰く、他社が類似品を出してくるのは仕方が無いことだそうです。「他社の商品は類似品です。弊社がオリジナルです。」と説明して回っても、それだけで説き伏せられるバイヤーはいないそうです。確かに、高級ブランド商品ならともかく、普通の園芸資材でそこまでブランド力を求めるバイヤーもいないかもしれません。

それでは、どの様に類似品との差別化を図っているのでしょうか?

まず、毎年新商品の開発に力を入れているのは当たり前の事ですが、必ずしもヒットする新商品が出るわけではなく、やはり定番商品が売上の中で占める比率は高いそうです。その定番商品を類似品に負けない様に販売する方法は、やはり提案力だそうです。どうすれば小売店の利益が増えるか?どうすれば小売店での管理が容易になるか?どうすれば消費者に楽しんでもらえるか?どうすれば1消費者の購入額が増えるか?などなど、いろんな提案をするそうです。しかも、その提案は、スタッフが一人一人、自分の担当の小売店のことを考えて作るのだそうです。

まあ、当たり前の事と言えば当たり前なんですが、その提案の内容のいくつかを説明して頂き、スタッフ皆さんがすごく勉強されているのが分かりました。


さて、その夜、ホテルの近くのイタリアン・レストランで夕食を食べました。
そのレストランは値段も手頃でそんなに高級店ではないのですが、ウェイターが皆さん、スーツを着て、頭髪をきっちりキメて、ピカピカの革靴を履いて、テキパキ仕事をしているんです。もちろん、サービスも良く、料理もとてもおいしかったです。

そして、そこでビックリする光景を目にしました。出前サービスもしているのですが、なんと出前をする人も同じ様にビシッとした、まるで高級ホテルのルームサービスの様な格好で出前をしているんです。多分、出前を運ばれたお客様は大変嬉しいでしょうね。後でグーグルで調べたら、やはりその地域では一番人気のレストランでした。


高いホスピタリティで有名なディズニー・リゾートやリッツカールトン・ホテルの話にも共通するところがありますが、お客様に喜んで頂くために仕事をしているという事をスタッフ一人一人が信念とし、そのためにみんなが努力をして形にしていく。それが会社の信用となり、お客様に認めて頂ける会社になっていくのだと思います。お客様に認めて頂ければ、類似品が出てきても恐れることはないと思います。