2012年10月31日水曜日

切花と花壇苗と鉢花と何が違うの?




切花生産者は切花を材料として提供していますよね。花壇苗生産者も花壇苗を材料として提供していますよね。ここで、素朴な疑問なんですが、鉢花生産者は鉢花を材料として提供しているんですかね?それとも完成品として提供しているんですかね?


さて、花の完成形って何なんでしょうか?切花は花瓶に活けたりブーケを作って完成形になるのは分かります。花壇苗はプランターや花壇や庭に植え込んで綺麗に咲き誇ったり、綺麗な景観ができたら完成形なんだと思います。鉢花はどの時点で完成形なんでしょうか?一般的には生産者の農場から出荷される時点で完成形だと考えられているように感じるんですが、どうなんでしょうか?

切花は出荷された後に完成形にする段階で長さを調整したり枝を取ったりしますよね。花壇苗は植え込まれた後に完全に草姿が変わりますよね。鉢花は草姿は変わりませんよね。だから出荷の段階で完成形なんですかね?

でも、お店で加工する場合もありますよね。特に付加価値をつける場合には。それとも、ホーム・ユーズとギフトで別れるんですかね?ホーム・ユーズの場合は生産者が出荷する段階で完成品、ギフトの場合はお店で加工して完成品なんですかね。生産者も「今回は材料として出荷するんだ」なんて表現を使いますもんね。


ただ・・・、ん~、ちょっと納得しないことがあるんですよねぇ~。しかも2つ。

切花も花壇苗も消費者が好きな花瓶を選んだり好きなプランターに自分の好きな様に複数の苗を寄せたりして自分なりの楽しみ方が出来るじゃないですか。鉢花は生産者から出荷される段階で完成形になっていたら、消費者が自分の好きな様に楽しめないじゃないですか。いや、消費者が自分の好きな様に、例えば綺麗な鉢カバーに投げ込んだりして楽しむとすれば、生産者から出荷される段階ではやっぱり材料なんじゃないのかな?

もう1つは、切花を活けて楽しむ為の花瓶って結構しますよね。花壇苗のプランターも結構しますよね。しかも、花瓶もプランターも何回も使えますよね。それに比べて生産用のプラ鉢は安すぎないですか?で、しかも使い捨てでしょ?言ってみれば コーヒーを紙コップで飲むのとちゃんとしたコーヒーカップで飲むのくらいの違いがあるんじゃないですかね?それで完成形って、チョットどうなのかなぁ~?

だから私の結論として、「鉢花は出荷される段階では材料ですよ。でも、器にこだわらなければ、そのままでも完成品として楽しむ事はできますよ。」というのが正しいのではないか、と勝手に決定しました!


そ・こ・で、私は言いたいことがあります。そうなんです。ここからが私の言いたい事なんです。

消費者だって鉢花を自分の好きな様に楽しみたいんだから、楽しみ易い形で出荷して欲しいですよね。まあ、販売店との共同企画などで変わった鉢を生産者が使ったりする事もあると思いますが、普通は普通の鉢で出荷してくださいよ!

私の家では季節によって鉢カバーを変えたりして鉢花を楽しむんですが、鉢カバーに入らないヘンテコな形の鉢で出荷されたら、困っちゃうんですよねぇ。寸胴でデカいのとか、四角っぽいのとか、長いのとか・・・。それとも、「鉢は生産者の好みに合わせろ!」って言うんですかね?チョットそれは酷くないです?

だから、生産者は基本はお店や消費者が加工し易い鉢で出荷してください!これ、私、一消費者としての意見です。どうか宜しくお願いします!

2012年10月29日月曜日

園芸店のマーケティング




先週は中国・広州の交易会に行ってきました。この交易会には毎回数えきれないほどの中国の製造会社や販売会社が出展しています。出展者を廻りながら最近の景気を聞いてみました。多くの会社が欧米の不景気の影響で仕事が減っているとの事でした。今まで来ていた取引先が来なくなったり、取引はなくても今までブースに寄ってくれていた会社が来なくなったり・・・。

廻っていて気がついたのですが、そういえば、ここに出店している会社は全部輸出を目的としている会社なんですよね。つまり、マーケットが国内でなく海外なんですね。まあ、当たり前だけど。

でも、じゃあ、これらの会社はどうやって営業しているのでしょうか?どうやって自分の会社・取扱商品・それらのメリットなどを海外の会社に知ってもらえるのでしょうか?確かに交易会などに出展し、そこに来場した海外のバイヤーの目にとまればビジネスチャンスに繋がるでしょうが、海外の景気が悪くなり、今まで来てくれていたバイヤーの数が減ってしまったら、どうやって新しい取引先を開拓するのでしょうか?海外に出向いていって営業しているのでしょうか?いや、中国の人たちが海外に出るのってビザの問題などがあり難しいはずです。

と、ここで考えたのが、園芸店です。

日本国内の園芸業界のマーケットボリュームが一時期の3割以上減ってしまっています。量販店にしても専門店にしてもどうすれば売上を伸ばすことができるのかを真剣に考えています。弊社でお取引いただいているお店でも色々な試みが行なわれています。

しかし・・・

そうなんです。お店に来てくれた方々への提案などは色々な方法があるんですが、まだお店に来てくれていない方々にどうやって情報提供し、お店に来てもらえるようにするか、が課題なのではないでしょうか。例えば、新聞の折り込みチラシの効果は花を好きな消費者にはあるでしょうが、花に興味のない人には全くと言っていいほど効果はないのではないでしょうか。10月中旬になると関東ではほとんどのお店がガーデンシクラメンやパンジーを売り出しますが、それを知っている消費者がどれくらいいるのでしょうか?お店に来てくれている方々は勿論知っているのでしょうが、お店に来た事のない方々が「ああ、もう10月中旬だからガーデンシクラメンを買わなきゃ」って思ってもらえると良いですよね。

今お店に来てくれているお客様たちも、景気が悪くなれば買い物してくれる金額が減ってしいますし、また、常連客もだんだん高齢化してきますから新しい若い常連客を探していかなければならないわけですよね。まあ、一部の専門店にはカッコいい店員さんがいてそれだけでコマーシャルになっていたり、また、メディアで紹介されているお店などもあるんですが、それはかなり例外だと思いますよね。

お店に来てくれる方々へのマーケティングは勿論大事ですが、花に興味がなくお店に来た事のない方々へのマーケティング方法は難しいですよね。でも、それができたら効果は大きいでしょうね。


添付した写真はシカゴ郊外にある「ゲッセマネ・ガーデンセンター」のお店の近くの道路です。このお店がボランティアで近所の道路脇を飾っているんだそうです。綺麗なお庭のようですね。町の人達も嬉しいでしょうね。