2010年12月25日土曜日

贖罪





今から2010年前、神様が私たちの罪をあがなって下さる為に、その一人子、キリストをこの世に遣わされました。

神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。 (ヨハネによる福音書 316節)



たぶん、みなさんが無意識のうちに日常的にキリストを感じるのはカレンダーだと思います。「西暦2010」、救い主・キリストがお生まれになってから2010年経ちました。後年、キリストのお生まれになった年については諸説出てきましたが、しかし、「西暦」という時間の概念はもともと救い主キリストの生まれた年を「西暦1年」として作られ、それが2010年経った今も、私たちの時間の基準として使用されている事は、みなさんも知っている事ですし、疑いようの無い事実です。



先日、私の祖母が入居しているキングスガーデンに於いて、クリスマスの祝会が催されました。このキングスガーデンはキリスト教の信仰と精神に基づき運営されている福祉施設で、現在全国に43施設があります。私の祖母がこの施設に入る前、2カ所の別の施設を利用しました。理由はこの施設の人気が高く、多くの方々がウェイティング・リストで待っている状態だったからです。

何年も待った後に、やっとキングスガーデンに入居できた時の喜びは大変なものでした。また、今でも、この施設に入居できた事を大変嬉しく感じています。

キングスガーデンにお世話になる前の2カ所の施設と、このキングスガーデンの大きな違いは「人」です。ここのスタッフの方々、一人一人が大変献身的であり、心の底から喜んで仕事をしておられ、まさに神様の生きている証を見ている様に感じます。



私は子供の頃からキリスト教に触れてきて、キリスト教の学校、クリスチャンの企業、キリスト教会、などの成功を多く見てきました。そして、そこには常に共通したものがあります。それは「人」です。神様の愛を知り、また、神様に愛された様に、他の人たちをも愛することができる人達がそこには必ずいます。



「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮 辱する者のために祈りなさい。あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。求める者には、だ れにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。

人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人 を愛している。また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。返してもらうことを当てにし て貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。

しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと 高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」(ルカによる福音書 6 2836節)

2010年12月19日日曜日

森繁久彌さんの養女



今日は「クリスマス特別礼拝」で、我が教会期待の若手伝道師が説教をしました。最初はちょっと静かな話し方だったのですが、途中からだんだん熱がこもってきて、最終的には大変感動的な話にまとまりました。

説教の中で“クラーク桂子”さんの話が出ました。クラーク桂子さんと聞いてピンと来る人は少ないと思いますが、なんと森繁久彌さんの養女だそうです。

話の内容を森繁久彌さんの「大遺言書」より抜粋しました。

森繁さんには桂子さんという黒人と日本人のハーフの養女がいる。昭和41年文化放送の「今晩は、森繁です」という番組に小関桂子という女性から手紙が来た。 両親は行方不明、ハーフであるがゆえの悲惨な身の上に森繁さんはショックを受け彼女を引き取ることになる。その後桂子さんはアメリカのクラーク青年と恋仲になり、ロスで結婚式をあげようと、渡航手続きをしにアメリカ大使館へいった。ところが、パスポートもビザも出してもらえなかった。森繁さんは遠い目をして当時を偲ぶ。

「この子には国籍がありませんでした。戦後の混乱期のことだからといくら説明しても、納得してくれません。佐世保のころの住民票なんかを取り寄せて交渉しましたが、埒があかない。ーそこで私たちは、桂子を養女にしました。森繁桂子ーこれで文句があるか。文句はあると言うのです。ほんとうの国籍ではない。向こうも意地になっていたのかもしれません。女房が怒りました。大使館の人に、この子の幸福をメチャクチャにするつもりかと、噛みつきました。私がびっくりするくらいの剣幕でした」

森繁杏子夫人は森繁桂子さんを連れて、十日間つづけて大使館に抗議にいったという。さすがの大使館も折れて、とうとうビザは出た。夫人と桂子さんは、人目も構わず、大使館の門前で抱き合って泣いた。

横浜から船に乗って、桂子さんが渡米する朝がきた。クラーク青年はカリフォルニアで花嫁を待っている。森繁夫妻は、この日のために着物を一式用意していた。 赤の地に桜の花を散らせた振り袖だった。華やかな振り袖の混血児が船の甲板に現れた。船上の人たちも、岸壁の見送りの人たちも、声をのんで桂子さんに見入った。

「お父さまー」船縁にすがって花嫁は叫んだ。「お母さまー」

森繁さんは泣いた。涙が止まらなかった。傍らを見ると、杏子夫人は下を向いたまま顔を見せようとしなかったが、その指は森繁さんの掌を掴んで震えていた。

その後桂子さんは桂子クラークとしてカリフォルニアで幸せに暮らし、杏子夫人の一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌にかならず日本に帰ってきている。

ー森繁久彌の大遺言書より


「無償の愛」というのを理解できますでしょうか?神様が私たちを愛する事で、神様が何ら利益を得るわけではありません。これは親が子供を愛する事と全く同じです。子供のいる親には、この「無償の愛」の概念がよく分かると思います。


神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。(ヨハネ3:16)


2010年12月18日土曜日

出荷規格



ベトナム出張から帰国し、ひと息つく暇も無く国内の出張でした。

先週土曜の夜10時過ぎに帰宅し、それから翌日の勉強会の準備をし、日曜は教会を休んで、朝から静岡です。このところ休みが全く取れず疲れが溜っていますが、やっていることは自分が好きでやっている事ばかりなので負担にはなっていません。

静岡での勉強会は、別品目を生産する若手生産者が集まって作っているグループで行ないました。このグループは共通品目を作るグループでもなく、単なる共同出荷をするグループでもなく、どの様に自分たちの農場経営を改善できるかを栽培技術、管理能力、販売方法、などを勉強してより高みを目指す生産者のグループです。

勉強会の途中、ひょんなことからある事に気がつきました。それはA品とB品の線引きです。どの生産者も出荷の際にA品、B品と線引きをしていると思います。しかし、特に鉢物の場合、社長でなければA品、B品を取引先毎に分けることができない、ということがあるのではないでしょうか?○○園芸のA品はこれだ、B品はこれだ、と仕入担当者に理解してもらう為には、自社農場の誰もが(せめて出荷に携わるスタッフには)A品、B品の自社規格を理解していなければならないと思います。そのためにはA品、B品の花芽の数、開花数、株の大きさ、などを数値化する事は大切だと思います。

例えば、シクラメンならば、5寸2個入A品は株の直径がだいたい○cm、鉢上の株の厚さが○cm、株上の花芽の数が○本、開花数が○本、など。また、カランコエならば4寸12個入A品は直径がだいたい○cm、鉢上の株の高さ(花の高さ)が○cm、花芽の数が○つ、開花数が○輪、など。

生き物なので「規格化」というのは大変難しいとは思いますが、これが出来る事が販売店の信用を得られる事だと思います。線引きは必ずしも100点満点で無くても良いと思います。まずは80点以上、70点以上の線引きを目指してみてはどうでしょうか?

2010年12月10日金曜日

ダラット


今週はベトナムのダラットに来ています。弊社ではダラットからカランコエ、リーガー、オステオ、ハイビスカスの苗を輸入しています。今回はその苗の親株のチェックと採取する穂のチェック、今後の輸入計画の打ち合わせに来ています。



私が海外出張に頻繁に行ってばかりいるので、たまに生産者の方から、「会社は大丈夫かい?」と質問されることがあります。

勿論、心配する事もありますが、弊社のスタッフは、みんな私と同じ気持ちで働いていてくれ、カスタマーサポートにしても、企画にしても、経理にしても、まあ、任せていて大丈夫です。たまにポカをすることはありますが、誰でも完璧ではないし、“その後”はそれまで以上に改善されるので、結果としては問題ありません。

私自身が海外出張する事について、以前は色々な場所に行ける事が結構楽しかったです。しかし、歳と共に、また責任が増えると共に、だんだんと体力的にも精神的にも厳しくなってきています。



海外出張の内容は、新商品の開拓、業務と商品の改善、勉強、などが主です。

新商品については、現在は弊社がお願いするよりもメーカー側から依頼される事が多くなっています。大変嬉しい事なのですが、その期待に応えなければならないので、大変なプレッシャーになります。今週も、今まで取引を控えていたメーカーから2商品を依頼され、またこれが品種の特性は素晴らしいのですが、マーケティングが難しそうな商品なので、頭を痛めています。

業務と商品の改善については、だいたいが納品トラブルの対応とかお客様からのクレームに対する対応と改善策の模索なのですが、お客様の気持ちも分かりますし、メーカーの立場も分かりますし、これも大変難しい問題でプレッシャーになります。ただ、誰もがみんな仕事に対してまじめに一生懸命に取組んでいるので、その気持ちが伝われば大体の場合はそんなに大きな問題にはなりません。その気持ちを伝える立場にあるのが弊社なので、いやあ・・・。

勉強の内容は、日本の若手生産者の為に「今後の農場経営をどうすれば良いか?」と、販売店の活性化の為に「どのように消費者に楽しんで頂けるのか?」に的を絞っています。私たちはただ単に新しい品種を生産者に紹介するのが仕事なのではなく、消費者に花を楽しんでもらう為に、ブリーダー→種苗会社→生産者→流通業者→販売店→消費者という流れの中で弊社の出来る事を模索し、少しでも皆さんの役に立つ事が私たちの仕事だと思っています。当たり前の事ですが、消費者が求めているのは「より安く、より良いもの」です。この言葉の意味は色々ありますが、基本的には文字通りの解釈で外れていないと思います。そして、このような消費者の要望に応える為、生産者に対しては「どうすれば安く生産できて、利益を確保できるのか?」という経営改善と、販売店に対しては「どのように消費者に価格vs価値を伝えるのか?」という魅せ方について、私たちも皆さんと同様に勉強しています。勿論この事に関しても、園芸業界に携わる会社としての責任と理解していますので、色々と頭を悩ませています。



まあ、だらだらと書いてしまいましたが、こんな理由から海外出張をしており、なかなか手を抜く様な事はできません。私もいつまでも若くはなく、徐々に50才に近づいています。国内のカスタマーサポートについてはスタッフに任せられる様になったのですが、これから海外に対してもスタッフに任せられる様な体制を作っていかなければなりません。いやあ、色々考えるとやる事が次から次へと増えてきて、楽しくもあり、苦しくもあり、です。



これは農場の社員食堂です。ここで一緒に食事をしました。従業員の農場敷地内への食べ物の持込みは禁止だそうです。



ダラットの飛行場です。何とものどかな雰囲気です。



ホテル前です。やっぱりベトナムはバイク王国です。



ホテルの近所にあるガソリンスタンドで撮ったポインセチアです。完全に3メートルくらいはあります。

2010年12月5日日曜日

最高と最低


今日は最高と最低を味わいました。
弊社でお付き合いいただいている生産者のシクラメンを見に伺い、今年の夏の暑さにもめげず、大変素晴らしい物が出来ており、本当に感動しました。市場からの注文も十分すぎる程入っており、昨年よりも売上が良いだろうとの事。「こんな人もいるんだなあ」とひたすら感心しました。





そして、夜自宅に帰ってきて、近所のスーパーに買い物に行ったら、入口で見たのがこの写真です。5寸です。こんなシクラメンを仕入れる店の担当者も、本当に消費者の事を考えて仕入れているのだろうか?店の仕入担当者もあまりに消費者をバカにしているし、あまりに花卉業界をバカにしている。これが野菜だったらどうなんだ?こんな野菜を販売していいのか?

また生産者は、いくら失敗したとしても、このようなシクラメンを出荷して良いのだろうか?このような生産者がシクラメンを生産していて良いのだろうか?この生産者はあまりに消費者をバカにしていないだろうか?自分が買う立場だったらどうなんだ?こんなシクラメンを買って行って家で楽しめるのか?

出荷する方も出荷する方だが、仕入れる方も仕入れる方だ!

2010年12月4日土曜日

ブレない経営をする生産者


今週も生産者を廻っています。

青梅の方でポインセチアを長年生産されている生産者を訪れました。この方は私が最も尊敬する生産者の一人であり、毎年年末には近状報告とご挨拶を兼ねて伺います。

今年は、やはり夏の暑さの影響で一部の品種が被害を受けていましたが、それでもいつもと同じ、一目見て華があり、「持ちの良い」健強な作りになっており、固定客の期待を裏切らない商品に出来上がっていました。

この方は、春作もマリーゴールドを安定して生産出荷しています。3月から5月まで、長年の固定客の注文に応える為に、毎年決まった数量を決まった週に出荷しています。

日本におけるポインセチア生産の草分け的存在のこの方は、ポインセチアとマリーゴールドだけを作っているのですが、如何に生産効率を上げるか、如何に新しいマーケットを作ることができるか、常に経営の改善、新しい商品及びマーケットの模索に余念がありません。

以前のブログで老舗の条件について書いたのですが、この農場も、本業重視、信頼経営、透徹した職人精神、など、長く安定して経営する為に必要な事柄を実直に守られていると思います。

2010年11月30日火曜日

ソウル暴飲暴食ツアー


先週末は、古い友達と一緒にソウルまで「暴飲・暴食ツアー」に行ってきました。

なんと2泊3日の韓国旅行で食べた食事は11食、何を考え天然?ってな感じです。しかし、初日の〆にフライドチキンを食べ、美味かったのでおかわりしたのがあだとなり、一気にハラに来てしまいました。やっぱ、〆でおかわりしちゃダメだよなあ・・・。だいたい、〆がフライドチキンってなんなんだよ。

まあ、そんなこんなで初日の夜中からお腹は下りまくり、知人から夜中に電話があったけど、こっちはトイレで忙しくて何を話したのかも覚えてない状態でした。

しっかし、韓国は美味しい!あまりバラエティが無い様に感じるけど、焼き物系と汁物系と混ぜ物系ばっかりで、全部真っ赤の様に感じるけど、でも美味い!

日曜に韓国から帰り、月曜は、米国でコンサルタント会社に勤める知人が来日していると連絡が入り、都内まで会いに行ったんですが、なんと、夜は二人で韓国料理を食べに行きました。



ちなみに、今回泊まったホテルの近くに、20年前私が働いていたビルがありました。懐かしかった。夜に戒厳令が敷かれていた当時、交通のストップした町を警察に見つからない様に何キロも歩いて帰った事や、江南のあばら屋ばかりの開発地で、夏に冷房も無く、団扇で扇ぎながら昼飯を食べた事や、日本人という事だけでいろいろといじめられた事や、ほんと、昔のいろんな事が思い出され、懐かしかった。

2010年11月24日水曜日

宣教師へのサポート


先日、私の通っている教会にアメリカから宣教師の方々がいらして説教をして下さいました。

朝の礼拝ではフロリダからいらしたブラウン先生が「福音の重要性」、夕方の礼拝ではアーカンソーからいらしたモレル先生が「宣教師はどうあるべきか?宣教師を送り出す教会はどうあるべきか?」ということについて話して下さりました。

私の通っている教会は福音の伝道にかなり力を入れており、教会収入の半分もの金額を伝道に使っています。「一人でも多くの人を救いたい」との大義があるから続けられる事であり、この教会の姿勢が、私の会社の社会貢献活動にも大きく影響を与えています。



今日の説教を聞いていて、新たに考えさせられたことがありました。

「宣教師はどうあるべきか?」勿論、福音の伝道により、一人でも多くの人を救う事が仕事なのですが、じゃあ救う為ならば方法は何でも良いのか?という問題があります。

また、「宣教師を送り出す教会、また、その教会の会員はどうするべきか?」ということについてはあまり考えた事がなかった様に思います。確かに、新しい宣教師というのは得てして金銭的にも厳しい状況の中におり、また、どんなに伝道してもなかなか結果が出ず、かなり精神的にも強くなければ続けられない職業だと思います。教会の会員達は、そのような宣教師を金銭的にも精神的にもサポートしなければなりません。


まあ、こんな事を考えていると、私も会社を経営しているものですから、「うちの会社に照らし合わせてみたらどうなんだろ?」と考えてしまいます。

お客様の事を考えずに、何でもいいから注文を取れば良い、というのではなく、どうしてこの生産者にはこの商品が必要なのか?を考えて対応をさせて頂く。これはとても大切な事なのですが、それを全社が知っているのか?理解しているのか?担当者まかせではなく、全社が真剣に取組める体制になっているのか?また、担当者を全社でサポートする体制と意識がみんなにあるのか?

簡単に言えば、何の為に仕事をしているのかを、全社員が理解しているのか?これは生産農場にも言えると思います。パートのおばさん一人一人までが、この事をちゃんと理解するというのはとても大切です。

2010年11月20日土曜日

今年の夏の影響から学ぶ事


今週はシクラメン、ポインセチアなどの生産者を廻りました。

多くの生産者が今年の夏の暑さの影響で、商品に様々な影響が出ています。

まあ、失敗してしまったものは仕方がないのですが、そこから何を学んだか?同じ失敗をしない様にするにはどうするか?

私が学生のときの部活のコーチは「失敗は仕方がない。その後をどうするかだ。」と良く言っていました。

誰でもシクラメンで失敗したら、すぐに次の様な事が頭に浮かぶ事でしょう。
1、失敗したシクラメンをどうするか?
2、売上減少は確実なので、その後の資金繰をどうするか?
3、来年、同じ過ちを犯さない為にどのように対応するか?

1番や2番はその方によって色々な方法があり、ベストの方法を今までの経験で培って来られた事と思われます。

3番に関して、生産者の方々に色々とご意見を伺うのですが、だいたい皆さんは「寒冷紗をもっと意識的に使う」とか「植物を育てるタイミングを変える」とか言われます。どの方も「今年は○○度以上の日が何日続いた為に、肥料の吸収が○○ppm悪かった。だから、来年は温度を○○度以下に抑える努力をして、肥料をppm与えて、通常の出荷になる様調整したい。」のような具体的な数字で言われる方がいらっしゃいません。可能であれば毎朝、毎昼のハウス内温度と湿度、最低1週間に1回は鉢の中の肥料濃度を調べ、記録として残しておかれた方が良いと思います。

「カンでの管理」というのは職人技で、誰でも出来る事ではありません。明確な数字で管理できる様にされた方が、マニュアル化もし易く、パートの方々も働き易いと思います。

また、今年のトラブルの原因の1つに、「あまり多くの品種を作りすぎた」というかたも多くおられたと思います。確かに、とくに技術の高い生産者の方々は、高単価をとる為に色々な“品種物”の生産を好んで取り入れています。しかし、中途半端な数量で違った品種、違った鉢サイズを無数に作れば、ハウス内での管理が大変複雑になります。そこに今夏のような厳しい状況下でのより困難な栽培管理が加われば、完全に“アウト”という方もおられたのではないでしょうか?品種の選定や鉢サイズの選定は栽培環境などに併せて決められた方が良いのではないでしょうか?

2010年11月15日月曜日

ドイツの小さな町


先週ドイツで昼食に立ち寄った小さな町、Miltenberg。なんかとっても古い町並みでかっこいいなあと思っていたんですが、調べてみてビックリ。本当に古い町だった。





このホテル、ツム・リーゼンは12世紀に創業され、現在の建物も1590年に建てられたものらしい。お昼ご飯をこのホテルの1階でとりました。豚のローストとポテトという典型的なメニューだったのですが、まあ、味もほどほど、他の席のおじいちゃんおばあちゃん達の雰囲気が良く、その雰囲気のお陰で合格点、という感じでした。





こちらのパン屋さんは創業1607年、ずっとこの場所でこの建物で代々パン屋さんを営んでいるそうです。す、すごい・・・。



そこで、いったいどれくらいの「老舗」が世界にあるのだろうと思って調べてみました。
「世界の老舗企業」 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5408.html
やっぱりドイツは老舗が多いですね。日本もけっこう健闘しています。

老舗ランキングではなんと上位に日本の会社がけっこういます。
「List of Oldest Companies」 http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_oldest_companies

上の「世界の老舗企業」のページ中で紹介されている韓国銀行の報告には、長寿企業の秘訣として、本業重視、信頼経営、透徹した職人精神、血縁を超えた後継者選び、保守的な企業運用、などが挙げられています。やはり、何事も“王道”ですね。

2010年11月10日水曜日

やっぱ、雪だ!


イタリアの農場を視察に行った後、また、オーストリアを横断してフランクフルトに戻ってきたのですが、イタリアとオーストリアの国境の山中で、やっぱり雪が降ってきました。

一昨日は全然そんな雰囲気がなく、レンタカーをスノータイヤにしてもらったのはお金がもったいなかったかな?と思っていましたが、やっぱりスノータイヤにして正解でした。

しかし、こんなに雪が降っているのにもかかわらず、しかも峠のアップダウンがはげしくカーブの多い道なのに、制限速度が100kmってどういうことなの?

まあとにかく、途中で自爆車などはありましたが、680kmの道のりをなんとか6時間でフランクフルトまで戻ってきました。やっぱドイツのアウトバーンの役割は大きい!山道での遅れを楽に取り戻すことができました。

2010年11月9日火曜日

北イタリアの小さな村

週末にフランクフルトからオーストラリアを横断してイタリアに来ました。月曜に訪問する農場の近くの、メチャクチャ小さな村に泊まりました。写真はホテル前の道路です。



なんと、村に はレストラン2件とピザ屋さん1件しかなく、しかも週末なので、レストランはお休みで、ピザ屋でごちゃごちゃトッピング巨大ピザの夕飯をとりました。

ピザ屋に行く途中、教会があり、お墓もあったので覗いてみました。
 

まあ、赤い小さなランプがお墓中に灯っており、何ともおしゃれな雰囲気を醸し出しています。お墓によってはロウソクも灯っていました。日本の「ひゅ〜どろどろどろ〜」のイメージが全くなく、かっこいい!さすがイタリア!なのか?



今朝、もう一度教会に行くと、いや〜、やっぱりイタリア!やっぱりかっこいい!教会が小さな村の中心にあり、その中のお墓がまるで「みんなの憩いの広場」のようになっています。



死んだ後も、いつもそばにいて、家族の一員として一緒に生活している様な感じが伝わってきました。こういうのいいなあ。

2010年11月5日金曜日

もうオランダ

IFEXが終わったばかりですが、水曜日(11/03)からまたヨーロッパに来ています。



アールスメアで今年から始まったIFTFという展示会に行ってきました。


結果から言うと、展示会としては物足りなかったです。出展しているのはほとんどが切花で、鉢物は胡蝶蘭、アンスリウム、グズマニア、シクラメン、ミニバラくらいでした。

ただ、さすがはアールスメア。業界内の人達が大勢来場しており、あちこちで色々と情報交換をすることができました。さらに、新しい仕事も作ることができました。だから、その意味では◎!

今回は「第1回目」だったのですが、今後どのようになるのか大変興味があります。




また、アールスメアの市場で同時開催されているFlora Holland Trade Fairも視察してきました。生産者のバイヤー向けに出展している展示会なのですが、いや〜、ビックリしました。活気に満ちていて“熱い!”のひと言。

ただ栽培している植物を展示するのではなく、その商品のイメージ作りがちゃんと出来ています。どのブースも大変凝ったディスプレイで、店頭での販売方法の提案がしっかりされています。

ここでも、やはり顔見知りのこちらの生産者何人かと会うことができました。生産者兼ブリーダーの方からは、また面白そうな新商品情報等も頂きました。

やはり、こちらに来て業界内の人達と交わっていると、情報(知識)を得る勉強になり、新商品開拓の可能性もでてきます。




面白いものを見つけました。シクラメンを切花として販売している会社がありました。「花持ちは2週間」とうたっています。生産者の農場では事務所にシクラメンを切花として飾っている方もいらっしゃいますが、これを商品化して販売していらっしゃる方はいるのでしょうか?王道かどうかは別として、消費者への提案としてはとても面白いですよね。



2010年10月31日日曜日

IFEXが終わって・・・


短いようでもとっても疲れた3日間がやっと終わりました。多くの方々に来場して頂き、弊社ブースに足を運んで頂き、誠に感謝しています。

説明させて頂いた方々には、今回の弊社のコンセプトをご理解して頂き、「なるほどね。」「そうだよね。」などの声を頂け、今までずっと思い続けてきた気持ちが伝わった、と感激しました。



さて、弊社は自己満足をしているレベルでまあ納得しているのですが、今回のIFEXはとても残念な気持ちになりました。その理由は、私たち、園芸業界にもっと消費の活性化をアピールしなければならないはずの、種苗会社や市場の出展がまた減ったからです。

前々から言っていますが、やはりこの業界、自分のことしか考えない輩が多く、目の前の利益だけで仕事をしている会社が大勢いることを再認識しました。まあ、「自分のことは棚に上げて、まずは相手に文句を言う」というのは、この業界の昔からの風潮ですが、ここまで来ると情けなく感じます。

これも弊社の理念に通じるところがありますが、常にステークホールダーに感謝をし、みんなが良くなることを考えれば、結果は自分にも帰ってきます。

次回のIFEXも勿論弊社は同じ場所で出展します。この様な国際的に認められた園芸展に「出てあげている」のではなく「出させてもらっている」のですし、主催者と一緒になり、私たちがこの展示会をもっと活性化させられる様に協力していかなければならないと思います。まだ次回の出展を迷っている種苗会社や生産者には、もっと自分たちの責任を考え、是非、前向きに検討して欲しいと思います。



また、主催者にも、もっと展示会の趣旨を明確にして欲しいと思います。回を重ねるごとに、何の展示会なのだかが不明瞭になってきている様に感じます。

「園芸業界向けの展示会」というよりも、「ホームセンター業界向けの展示会」という色が強くなってきた様に感じます。

どうか、もう一度原点に戻り、昔のHorti FairやドイツのIPMのような展示会を目指して欲しいと思います。

2010年10月29日金曜日

IFEX

 
昨日からIFEXが始まりました。

今回は、弊社が一番重要視している「鉢物の価値をどのように消費者に理解してもらえるのか?」に焦点を絞りました。

弊社がお取り引きをさせて頂いている生産者は素晴らしい品質の鉢花を作られる方が沢山いらっしゃいます。しかしながら、この数年は市場の価格を見ると、海外と比べても比較的安く流通されているのが現状です。確かに以前の鉢物価格は製造原価に比べて高すぎました。しかし、現在は逆に安すぎると感じます。だからといって販売店が利益を多くとっているのかというと、販売店の利益率も海外と比べて低いと感じます。

このような現状になってしまった要因の1つとして、消費者が植物の楽しみ方をまだ理解していないことが問題なのではないかと考えます。




そこで、今回の展示会では「消費者に楽しんでもらえる鉢花の売り方」を、弊社が最近取扱をはじめたドイツ製の陶器鉢を使用して提案してみることにしました。ポイントは、

*鉢花の花だけを楽しんでもらうのではなく、インテリアとして楽しんでもらう。

*売場の中で、できるだけ消費者に楽しんでもらい、なるべく店内すべてを歩き回ってもらい、可能な限り店内での滞在時間を長くしてもらう。





初日に弊社ブースに寄って下さった方々の反応はまずまずでした。仕入担当の方々が、お店の中の一般消費者と同じ様な行動をとっているのが面白かったです。中には、「このディスプレイ材料をこのまま譲って欲しい」とおっしゃる販売店の方もいらっしゃいました。

消費者が楽しんで買い物をしてくれるシステムが浸透し、隣の店と販売価格だけを比較して植物が販売されるという構図が変わってくれれば理想だと考えます。

2010年10月27日水曜日

広州のウィークリー・マンション



今回の広州出張は、ホテルではなく、ウィークリー・マンションに泊まりました。理由は単に節約の為です。

なにしろ、交易会期間中は市内のどのホテルも通常の倍の値段になるので、とても高額になります。東方賓館など国営のホテル等は共産党員であれば安く宿泊できるのですが、私たち外人がそんな赤の証明書を持っているわけがないので、1泊2.5〜3万円のホテルに泊まるはめになります。

そこで、今回はelong.net(中国版楽天トラベル)で探したウィークリー・マンションに泊まりました。それでも1泊1万2千円くらいしました。部屋は広かったのですが、立付けが悪く、トイレのドアは下側が10cmも隙間ができており、居間のドアは逆に下がこすれて閉まらない状態でした。まあ、ここらへんは愛嬌でしょう。

ただ、キッチン付だったので随分助かりました。「盗まれる」という理由で調理器具や食器等はありませんでしたが、電子レンジ、給湯器、大きな冷蔵庫には大変重宝しました。大好きなコーク・ゼロは近所のジャスコで最初の日に買いだめをしておきましたし、朝食はいつも前の晩にマンション1階のファミマで買っていました。

ここでもビックリしたのは、隣のマンションの1階にはセブン・イレブン、その隣のマンションの1階にはまたファミマが入っていました。立ち並ぶマンション群の中にある店がその3件のコンビニだけで、しかもその3件が隣同士にならんでいる。まったく「?」です。

さて、写真はある日の朝食です。タンタン焼きそば!ボリュームは日本の1.5倍くらいはあり、味付けもとても良かったです。その他のお気に入りは麻婆茄子弁当。これもご飯もおかずの量も日本よりかなり多めで、おかずの具は贅沢に入っていて◎でした。弁当は1つだいたい150~200円くらい。とっても良いです。

2010年10月26日火曜日

広州交易会

108回中国進出口商品交易会に行ってきました。

中国ではグーグルの機能を利用できないため、帰国後のアップになってしまいました。

中国で作られる園芸資材、装飾資材、ギフト商品等、クオリティーだけでなく、品揃えや提案方法等も毎回レベルアップしています。ヨーロッパを意識したものが多く、色使いも日本で人気のある白・赤・黒や白・グレー・ベージュなどの組合わせは減っています。ただ、ラスティックなものは依然根強い人気がある様です。




秋の交易会はクリスマス商品が多かったのですが、それよりも周年使える商品の提案にシフトされていました。この様な所にも景気の影響が出ているのでしょう。濃紫・濃青・濃茶、白・ライム、紫・茶・グレーなどの色の組合わせが多かったです。春の交易会の様にポップ色も少なく、とても無難な色構成の商品が多かったです。

商品の値段は、やはりドル安を受け、若干上がり気味でした。

2010年10月15日金曜日

ユダヤ人

 
今日は取引先の会社の社長に夕ご飯をごちそうになり、色々お話を伺い、大変勉強になりました。
イスラエルの会社であっても、成功する条件は、まずは相手の立場になり、相手のことを考えて仕事をすること。目の前の注文が大事なのではなく、何がみんなの為になるのかを考え、それを周りに伝え、実践すること。理論だけで考えると、「数字」が、まず頭を悩ませますが、みんなを信じ、自分を信じることで、結果がついてくる。簡単なようだけど難しく、難しいようだけど簡単なことです。
また、家族を大事にし、取引先も家族の様に考えてあげること。キリスト教であろうが、ユダヤ教であろうが、または無神論であろうが、(勿論、個人の“救い”の概念は別として)基本にあるのは、「いつも喜んでいなさい。たえず祈りなさい。すべてのことについて感謝しなさい。」だと、つくづく実感しました。

また、今日、観光でマサダに行きました。西暦70年に、この場所でイスラエルの残兵が“イスラエルの意志”を守る為に約1,000人の人々が自決したことが、今日のイスラエルの復興、繁栄に大きく寄与していることを知りました。幕末の「倒幕兵」の行動にも似ています。自分が犠牲になっても、結果としてその行為がみんなの為になり、将来の社会に大きく影響を与えています。

一人の人間の存在はとても小さいものですが、その人の意志が正しく、その意志を貫き通すことで大きな結果を生むことができる。一時的に苦難の時があろうと、何年先、何百年先であろうが、認めてもらえる。

今日は大変大きな“力”をもらいました。

なんか疲れているのか、文章がまとまっていないな。

2010年10月14日木曜日

エルサレム

 
今日は仕事をさぼって、エルサレムの観光をしました。
私たち日本人は「エルサレム」と聞くと「キリスト教」と思いがちですが、実は宗教のるつぼであると知り、ビックリしました。聖墳墓教会の中やその周りに多くの宗教が混在しているのは、不思議な感じです。

イエスが最後に十字架を背負って歩いたヴィア・ドロローサが、時々若干ルートが変わるとガイドの方が話してくれました。ただ、そのルートが大事なのではなく、イエス・キリストが実際に存在し、そのような事実があったことが大事なのであり、私たちがその事実を忘れないことが大事なのだ、と思います。

人間はとても小さな存在であり、助けがなくては生きていけません。その助けを世界中の多くの人々、多くの宗教が、このエルサレムに求めている。改めて「神」、「キリスト」の偉大さを実感しました。そのことが原因で、今まで多くの宗教戦争がこの地で行なわれてきたことにも、大きく心を痛めます。

ガイドの方が言っていた笑い話があります。
日本からクリスチャンのグループが観光に来るのだそうですが、イエスのゆかりの地で聖書に基づいた話をはじめると、すぐに泣き出すそうです。いやっ、これ、なんか分かります。

2010年10月13日水曜日

イスラエル

現在、イスラエルに来ています。イスラエルと言えばまずはエルサレムなのですが、仕事の場所は農業地帯なので、ちょっと離れています。

南です・・・・・・。そう、あの有名なガザ地区のすぐ隣です。行く前は農場の人はなぜだか農場の正確な住所を教えてくれなかったんです。そして、わざわざ1時間半もかけて、私が滞在していた飛行場の近くのホテルまで迎えにきてくれたんです。

そういうことだったんだ・・・・・。

「実はここはガザから2kmの場所なんだ。ほら、向こうに建物が見えるだろ?あそこがガザだよ!」って笑いながら言われた。

「だって、来る前に正確な場所を教えていたら、来なかったでしょ?」って、当たり前だろ!何考えてるんだ!

え〜、来てしまったので、もうどうしようもないってことで、一応仕事してます。

最初の写真はシェルターです。この様なシェルターが国境近くではどの家にも、どの農場にもあります。

ハァ〜ッ。


そういえば、良くみんなから「イスラエルは砂漠なのに良く野菜が出来るな?」と聞かれます。答えは簡単です。水を供給するシステムが良く出来ており、地下に送水用のパイプラインが張り巡らされています。農場ではそのパイプラインより水を取り込み、畑にはチューブを張り巡らしてあります。一般家庭の庭にも同じ様にチューブが張られ、自動潅水できる様になっています。


右側の送水パイプから水を引き込み、タンクの液肥を混入機で混ぜ、そこから畑にチューブを張り、チューブで潅水する様なシステムになっています。

ちなみに、農業用水は使用できる限度量が決まっており、それ以上を使用するとものすごい高額な金額を請求されるそうです。

ご苦労様です。