2012年12月4日火曜日

全米で一番大きなナーセリー



 昨日はコスタ・ファームズという、全米で一番大きなナーセリーに視察に行ってきました。どのくらいの大きさかというと生産面積が約1700ha、従業員は約2,800人、パートも含めると4,500人という規模だそうです。機械のメンテもスゴい量なので自社で修理工場を経営したり、培養土も年間に数千コンテナ使うので培養土会社を経営したり、中国からの輸入資材も常時40コンテナくらい在庫しているので中国資材会社を経営したり、まあ、規模が大きいです。
 折角なのでアメリカの業界動向について聞いてみました。現在、アメリカの園芸業界は大手の生産者20社くらいでだいたい動いているそうです。この20社は育種会社と直接契約をし、自社で苗生産をし、小売店に直接販売をしています。種苗会社もベンダーも介在しません。そんな隙間は無いそうです。
 では、この20社以外の中小生産者はどうやっているかというと競争力で負けて来ており、安全な経営の選択として大手20社の下請けになってきているとのことです。しかし、コスタ・ファームズにも下請け生産者が身売りをして来ており、それがコスタ・ファームズの規模拡大に拍車をかけているそうです。
 どうして大手が伸びているのか?どうして彼らは大手になれたのか?会社により色々な特色はありますが、だいたい共通している事は「どれだけ販売店のワガママを聞けるか。」だと営業部長が言っていました。「競争になれば相手の要望を聞ける方が勝つに決まっているだろ。」なるほど、おっしゃる通りですね。コスタ・ファームズの本社農場があるフロリダ州のマイアミはアメリカの東の南の一番下です。フロリダ州を出るのにも車で8時間かかるそうです。西海岸のカリフォルニアまで大型トラック一台45万円かかるそうです。それでも西海岸の生産者に勝つ為には、価格はもちろん、どれくらいカスタマー・サービスが出来るかにかかっているそうです。

 さて、日本の生産者の皆さんはどうでしょうか?あまりにも比較対象が大きいので、現実的な所から考えてみましょう。例えば、最近は一部の花壇苗生産者の間では年間生産品目を紹介する綺麗なカタログが作られ、出荷時期、生産規格、生産量、希望単価、などが明確に分かる様になってきています。綺麗な印刷をしなくても、カラー・コピーでも良いので、自分の生産している品目の紹介は写真入でするべきだと思います。弊社だって生産者に種苗を販売するのに、品種を紹介する写真や苗規格などの情報は生産者にとって必要ですものね。だから、販売店の方々にとっても同じだと思います。その他にも、生産規格、出荷時期、希望単価、などは生産者の都合ではなく、販売店の都合に合わせられると良いですよね。その先を言うと色々と出てきますが、まずはその辺りから形にしていく事ってやり易いんじゃないですかね。

 まあ、どれだけ相手の気持ちを考えて仕事ができるかが大事なんじゃないかな、と思うのですが、かく言う私も、日常生活の中では家内の気持ちを考えられずに軽率な行動をとり怒られてばかりなので、なんとも難しい話なんですよねぇ・・・。

2012年10月31日水曜日

切花と花壇苗と鉢花と何が違うの?




切花生産者は切花を材料として提供していますよね。花壇苗生産者も花壇苗を材料として提供していますよね。ここで、素朴な疑問なんですが、鉢花生産者は鉢花を材料として提供しているんですかね?それとも完成品として提供しているんですかね?


さて、花の完成形って何なんでしょうか?切花は花瓶に活けたりブーケを作って完成形になるのは分かります。花壇苗はプランターや花壇や庭に植え込んで綺麗に咲き誇ったり、綺麗な景観ができたら完成形なんだと思います。鉢花はどの時点で完成形なんでしょうか?一般的には生産者の農場から出荷される時点で完成形だと考えられているように感じるんですが、どうなんでしょうか?

切花は出荷された後に完成形にする段階で長さを調整したり枝を取ったりしますよね。花壇苗は植え込まれた後に完全に草姿が変わりますよね。鉢花は草姿は変わりませんよね。だから出荷の段階で完成形なんですかね?

でも、お店で加工する場合もありますよね。特に付加価値をつける場合には。それとも、ホーム・ユーズとギフトで別れるんですかね?ホーム・ユーズの場合は生産者が出荷する段階で完成品、ギフトの場合はお店で加工して完成品なんですかね。生産者も「今回は材料として出荷するんだ」なんて表現を使いますもんね。


ただ・・・、ん~、ちょっと納得しないことがあるんですよねぇ~。しかも2つ。

切花も花壇苗も消費者が好きな花瓶を選んだり好きなプランターに自分の好きな様に複数の苗を寄せたりして自分なりの楽しみ方が出来るじゃないですか。鉢花は生産者から出荷される段階で完成形になっていたら、消費者が自分の好きな様に楽しめないじゃないですか。いや、消費者が自分の好きな様に、例えば綺麗な鉢カバーに投げ込んだりして楽しむとすれば、生産者から出荷される段階ではやっぱり材料なんじゃないのかな?

もう1つは、切花を活けて楽しむ為の花瓶って結構しますよね。花壇苗のプランターも結構しますよね。しかも、花瓶もプランターも何回も使えますよね。それに比べて生産用のプラ鉢は安すぎないですか?で、しかも使い捨てでしょ?言ってみれば コーヒーを紙コップで飲むのとちゃんとしたコーヒーカップで飲むのくらいの違いがあるんじゃないですかね?それで完成形って、チョットどうなのかなぁ~?

だから私の結論として、「鉢花は出荷される段階では材料ですよ。でも、器にこだわらなければ、そのままでも完成品として楽しむ事はできますよ。」というのが正しいのではないか、と勝手に決定しました!


そ・こ・で、私は言いたいことがあります。そうなんです。ここからが私の言いたい事なんです。

消費者だって鉢花を自分の好きな様に楽しみたいんだから、楽しみ易い形で出荷して欲しいですよね。まあ、販売店との共同企画などで変わった鉢を生産者が使ったりする事もあると思いますが、普通は普通の鉢で出荷してくださいよ!

私の家では季節によって鉢カバーを変えたりして鉢花を楽しむんですが、鉢カバーに入らないヘンテコな形の鉢で出荷されたら、困っちゃうんですよねぇ。寸胴でデカいのとか、四角っぽいのとか、長いのとか・・・。それとも、「鉢は生産者の好みに合わせろ!」って言うんですかね?チョットそれは酷くないです?

だから、生産者は基本はお店や消費者が加工し易い鉢で出荷してください!これ、私、一消費者としての意見です。どうか宜しくお願いします!

2012年10月29日月曜日

園芸店のマーケティング




先週は中国・広州の交易会に行ってきました。この交易会には毎回数えきれないほどの中国の製造会社や販売会社が出展しています。出展者を廻りながら最近の景気を聞いてみました。多くの会社が欧米の不景気の影響で仕事が減っているとの事でした。今まで来ていた取引先が来なくなったり、取引はなくても今までブースに寄ってくれていた会社が来なくなったり・・・。

廻っていて気がついたのですが、そういえば、ここに出店している会社は全部輸出を目的としている会社なんですよね。つまり、マーケットが国内でなく海外なんですね。まあ、当たり前だけど。

でも、じゃあ、これらの会社はどうやって営業しているのでしょうか?どうやって自分の会社・取扱商品・それらのメリットなどを海外の会社に知ってもらえるのでしょうか?確かに交易会などに出展し、そこに来場した海外のバイヤーの目にとまればビジネスチャンスに繋がるでしょうが、海外の景気が悪くなり、今まで来てくれていたバイヤーの数が減ってしまったら、どうやって新しい取引先を開拓するのでしょうか?海外に出向いていって営業しているのでしょうか?いや、中国の人たちが海外に出るのってビザの問題などがあり難しいはずです。

と、ここで考えたのが、園芸店です。

日本国内の園芸業界のマーケットボリュームが一時期の3割以上減ってしまっています。量販店にしても専門店にしてもどうすれば売上を伸ばすことができるのかを真剣に考えています。弊社でお取引いただいているお店でも色々な試みが行なわれています。

しかし・・・

そうなんです。お店に来てくれた方々への提案などは色々な方法があるんですが、まだお店に来てくれていない方々にどうやって情報提供し、お店に来てもらえるようにするか、が課題なのではないでしょうか。例えば、新聞の折り込みチラシの効果は花を好きな消費者にはあるでしょうが、花に興味のない人には全くと言っていいほど効果はないのではないでしょうか。10月中旬になると関東ではほとんどのお店がガーデンシクラメンやパンジーを売り出しますが、それを知っている消費者がどれくらいいるのでしょうか?お店に来てくれている方々は勿論知っているのでしょうが、お店に来た事のない方々が「ああ、もう10月中旬だからガーデンシクラメンを買わなきゃ」って思ってもらえると良いですよね。

今お店に来てくれているお客様たちも、景気が悪くなれば買い物してくれる金額が減ってしいますし、また、常連客もだんだん高齢化してきますから新しい若い常連客を探していかなければならないわけですよね。まあ、一部の専門店にはカッコいい店員さんがいてそれだけでコマーシャルになっていたり、また、メディアで紹介されているお店などもあるんですが、それはかなり例外だと思いますよね。

お店に来てくれる方々へのマーケティングは勿論大事ですが、花に興味がなくお店に来た事のない方々へのマーケティング方法は難しいですよね。でも、それができたら効果は大きいでしょうね。


添付した写真はシカゴ郊外にある「ゲッセマネ・ガーデンセンター」のお店の近くの道路です。このお店がボランティアで近所の道路脇を飾っているんだそうです。綺麗なお庭のようですね。町の人達も嬉しいでしょうね。

2012年9月30日日曜日

アメリカの革命的ガーデンセンター




アメリカの業界紙、Today's Garden Centerでは、毎年、「全米の革命的ガーデンセンター・トップ100」を発表します。これは、ガーデンセンターが申込み、出版社からの質問に答え、それを数値化して順位を決められるイベントです。毎年、私はここで良い評価を得るガーデンセンターを、何件かピックアップして訪問します。

http://www.todaysgardencenter.com/revolutionary-100/

今年も、来年用の募集が始まったので、どんな質問事項があるのかを見てみました。100項目以上あるのですが、ちょっと面白そうなのを書き出してみます。


*現在どの様に店舗経営の勉強をしていますか?
*現在どの様に植物の勉強をしていますか?
*何人のお客様のメルアドを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人のお客様の住所リストを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人からfacebookで「いいね!」をもらっていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*地域新聞で何回取り上げられましたか?
*地域社会貢献をどの様におこなっていますか?
*地域の集まりにお店を開放していますか?
*季節店舗(春のピーク時のみ近所の駐車場等にオープンする簡易店舗)を何店舗持っていますか?
*どれくらいの頻度で店外ディスプレイを変えますか?店内ディスプレイを変えますか?
*あなたのお店が他のお店に比べて「改革的」なところは何処ですか?
*お客様に対して、どのようにSNSを有効利用していますか?
*経営に関して、どの様な事を他の販売店に教えてあげることができますか?
*POSシステムの有効的な使い方について説明してください。
*養生農場の面積を教えてください。
*在庫管理対策を教えてください。
*商品別の棚卸回転率を教えてください。
*従業員のトレーニング・プログラムを説明してください。
*従業員のトレーニングに年商の何パーセントを使っていますか?
*経営者のトレーニング・プログラムを説明してください。
*どの様なコンサルタントサービスを活用していますか?(会計、弁護士、資金繰、営業、マーケティング、建築、ディスプレイ、人事、など)

さて、このブログを読まれているお店の方がいらっしゃったら、これらの質問をどの様に感じられるのでしょうか?大変興味があります。

写真はこの夏に訪問したポートランド・ナーセリーの売場の一部です。このお店では多肉の楽しみ方提案をしていました。

2012年8月16日木曜日

MONROVIA



Monroviaという会社をご存知でしょうか?一度でもアメリカに行かれたことがある方ならばご存知だと思います。アメリカを代表するシュラブや宿根草の生産販売会社。簡単に言えば、PWの造園版です。

昨日付けのToday's Garden Centerを読むと、この会社のマーケティングに対する考え方が良く分かります。

2010年まで専門店向けに販売をし、マーケットをある程度網羅した後に、特定の量販店への卸しを始めました。そして、来年からは更に取引量販店を増やしていくとの事です。

Monroviaのカタログを見ると、本当に沢山の商品を扱っているのですが、以外とノンパテント商品が多いんですね。そして、それら大量の商品を上手に組み合わせてい、色々な提案を販売店に対して、消費者に対して行なっています。彼ら曰く、「私たちには沢山の商品と沢山の提案があるので、いくらでもマーケットを作る事はできる。」とのことです。

彼らの戦略には明確なルールがあります。
1、新商品は専門店のみ。量販店では特別な品種を扱うのではなく、一般的な品種を低価格で扱う。(生産者側も販売店側も、ちゃんと自分のマーケットを理解している。)
2、専門店・量販店とプリントポットやラベルを使い分ける。
3、量販店は1社ずつ取引を開始し、その量販店のマーケットを構築してから、次の量販店と取引を始める。(安易な売込みではなく、長期的な取引を目的として、お互いが一緒になって店頭での販売方法を模索しながら取引量を増やしていく。)

まあ、非常にもっともな事なんですが、日本ではこのように考えてマーケティングする生産者、仕入れるバイヤーがどうも少ない様に感じます。

2012年8月11日土曜日

花はもっと売れる様になるんでしょうかねぇ?




消費税の引き上げ法が成立してしまいましたね。

オリンピックに国民が浮かれて、みんなの意識が他にある時にこういう法案がさっさと通ってしまうっていうのは、毎度の事ながらホント姑息だと思いますね。

通常の企業であれば、抜本的な社内改革をして身を切りますよね。「無駄を省く」なんて甘ったるい考えでは会社はつぶれちゃいますよね。そして、なんとかやっていける体制にしてから、営業を伸ばしていきますよね。最近の日本航空などは良い例だと思いますが。ところが政治家ってそういう経営センスや危機感が皆無だから、すぐに安易な解決策を正当化して逃げる。経済アナリスト達でさえ、自分で会社を経営した事もなく、机上の理論だけで判断するので「背水の陣」のホントの意味が分からない。・・・まあ、こんな人達をまともに相手にしようにも屁理屈・ヘリクツ・へりくつばっかり並べて話にならないですがね。一般の会社だったら、ヘリクツばっかり言っていて、結果を行動で出せない社員ってダメ社員でしょ?

さて、文句はこれくらいにして・・・・。

消費税が上がると、消費者の財布のヒモはもっと固くなるんでしょうね。そうすると、花の消費はもっと下がるんでしょうか?下手すると、私たち園芸業界に携わる者達には死活問題にもなり兼ねないですよね。

欧米の人たちに聞くと、今景気が悪くて花が売れないかって言うとそうでもないらしいんです。「旅行に行けなくなったり、大きな買い物が出来なくなったりして、安価で気軽に楽しめるガーデニングは逆に人気が集まっている。」なんて話をよく聞きます。へぇ、そりゃすごい!じゃあ、日本の園芸業界も未来は明るいじゃん!って、そんなに楽観視していられるのでしょうかね?

うちの話なんですが・・・、
まあ、私の会社もそんなに潤っているわけではないので、ここ数年、私の給料は上がっていません。ただ、子供達に使うお金はだんだん増えてきています。家庭の中でも絶対必要経費はありますから、それらを削減しようにも限度があります。そうすると、うちの家内の場合、「旅行に行くのは高いから、ガーデニングを楽しもう」というような手軽な娯楽に切り替えるという発想はないみたいで、「旅行に行くのは高いから、やめる!」となってしまいます。勿論、私としては家に花が無いのは如何ともしがたいわけで、どうするかと言うと、私の小遣いから出すわけです。ハァ・・・。

もう何年も継続して花卉業界は衰退を続けているわけですが、こんな状態で、明るい未来はあるんでしょうかねぇ?

2012年7月17日火曜日

食品スーパーから学ぶ




今日は、私の住む柏市で高級スーパーマーケットを経営されている石戸社長の紹介で、ディトンにあるDorothy Lane Marketというスーパーマーケットに行ってきました。

このスーパーマーケットはアメリカで最も成功しているスーパーマーケットとしてビジネルモデルにされるほどの素晴らしいお店です。青山紀伊国屋スーパーと銀座三越のデパ地下が一緒になった様な感じ、と言えば分かってもらえると思います。でも、立地は普通の住宅街です。価格も普通です。

ディスプレイ方法とか、エンターテイメント的要素とか、スタッフの顧客に対するパーソナルサービスとか、こだわりの食材とか、色々勉強になることはありましたが、この売場を2時間半ず~っと観察していて、私がいつも探していたモノが見つかりました。1つの店舗の中で、上手に違うレベルの消費者をみんな満足させているのです。

1、料理の材料を自分で選んで買って行き、自分で料理する消費者。(まあ、これは当たり前ですね。)
2、料理の材料を自分で探すが、お店が料理してくれる。(なんと、お店の中にキッチンがあり、食材を買えばその場で料理してくれるんです。しかも無料で。)
3、お店が料理別の材料セットとレシピを準備してくれ(野菜や肉は既に切ってある。作るのが難しい料理は下ごしらえまでは済んでいる。)、仕上げは自分で作る。
4、デパ地下のお惣菜屋さんが沢山並んでいて、色々な出来合のおかずやお菓子などが選べる。

この4つの提案、やもするとどれかが手抜きになり、安っぽい提案になるのですが、どれも店全体のイメージを損なう事なく、上手に自己主張していました。今まで何十年と子供を育ててきた熟練の年配主婦も、共働きで仕事が終わってからお店に寄る40代の主婦も、新婚ホヤホヤの若奥様も、仕事場を抜け出して昼飯を買いにきたサラリーマンも、学校の部活帰りの子供達も、誰もが楽しんで、満足する経験が出来る、そんなお店です。

全然話は変わりますが、有楽町にニューキャッスルという昔から有名なカレー屋さんがあります。(立ち退きのため、今月で閉店らしいですが)以前、店のマスターがテレビの取材に答えていたのを思い出しました。インタビュアーの「人気の秘訣は何ですか?」という質問に答えて、「いろんな人の味の好みは違います。でも、サラリーマンもお年寄りも子供もみんなが好きな味があるんです。カレーは大衆食なので、みんな好みがあります。誰かが好きな味ではなく、みんなが好きな味を提供するのが長続きできる秘訣だと思います。」という様な話をしていたのを思い出しました。

さて、園芸店でも、
1、自分で花苗を買って行って、自分でプランターや花壇を作る消費者。
2、自分で花苗を選ぶが、お店が寄植えを作ってくれる。
3、園芸店が材料を準備してくれるが、自分で寄植えを作る。
4、店が作った寄植えプランターを購入する。
こんな販売方法があると思います。でも、これらの4種類の販売方法(=4種類の消費者)を同じ売場で満足してもらう為には、お店側の上手な提案とそれをフォローするスタッフが必要なのかなあ?・・・なんて事を考えました。勿論、消費者側からお店のスタッフに対して「こうして欲しい」なんて要望が出てくるとは思えません。特に初めて花屋に来る様な消費者からは。まして、お店の店員が初めて花を買いにきた人に「何かお探しですか?」なんて声をかけたら、そのお客さんは逃げちゃいますよね。
ですから、この様に、違うレベルの消費者に同じ売場で満足してもらえる様な販売方法を模索していかなければならないと思います。勿論、これは量販店のやる事ではなく、専門店だから出来る事だと思います。

2012年6月15日金曜日

どうして園芸人口増えないの?



ずっと前から不思議に思っていることがあります。私たちって、園芸人口が増えない事を悩みながら、園芸人口を増やす為の試みをしているのでしょうかね?

園芸ビギナーって専門店にはあまり行きませんよね?多分ほとんどのビギナーは量販店に行きますよね?

一部の特別な量販店はともかく、一般的な量販店でビギナーの人達は何を買ってどうすれば園芸を楽しめるのか分かるんでしょうかね?

店に教えてくれる人がいないから、自分で勉強するのですかね?わざわざ勉強しますかね?

ビギナーの人達がカットパックやカットパックに毛が生えた様な花壇苗を買って、何%の人が成功するんでしょうかね?

ビギナーの人が切り戻ししますかね?花ガラを取りますかね?肥料を与えますかね?殺菌剤・殺虫剤を散布しますかね?

ビギナーの人達に必要なのは、今年発表されたばかりの新しい品種ですかね?それとも、誰でも比較的簡単に楽しめる品種ですかね?

ビギナーの人達は量販店に行ったらどうすればいいんですかね?どういう商品が、無人販売の量販店に来るビギナーの為に必要な商品なのですかね?



一方、専門店にはビギナーを育てる役目はないのですかね?

量販店に教える人がいないんだから、専門店がビギナーを育てなければならないじゃないか!と思うのは私だけですかね?

一般的に、「専門店は敷居が高い」とビギナーの人達は思ってないのですかね?

専門店は、今まで花屋さんに行った事のない人を呼び込む活動をしているのでしょうかね?

花に興味がない人が「園芸教室」見に来ますかね?花を知らない人が「競り」に参加しますかね?楽しいイベントですが、それは趣味家向けですよね。

専門店で行なっている、ビギナーの為のイベントって何ですかね?



子供に対する『花育』ってのに、いつも違和感を感じています。勿論大事な事なんだけど、やはり家庭環境って大事ですよね。親が花を買わないのに、子供が小遣いためて花苗を買いますかね?第三者に一時的に花育をしてもらうよりも、親に継続的に教えてもらう方が良いですよね。親が花を楽しむ家庭の方が、子供も自然に花を楽しむ様になるんじゃないでしょうかね?じゃあ、子供への花育も大事だけど、彼らの親達への花育はもっと大事なんじゃないでしょうかね?それでは、親に対する花育は誰がするのでしょうか?

量販店はいろんな物売っているので、新しい消費者を作るチャンスは結構あると思います。ですから、その人達を振り向かせるディスプレイ方法と、簡単に成功する商品の提案が必要ですよね。スーパーでただ野菜と肉を売るのではなく、料理し易い様に切った野菜をクックDoみたいなソースと一緒にセットで売ったり、または、出来たお惣菜を1人前ずつ小分けにしてパックで売り「お皿に盛りつけるだけで完成」の様な提案ですよね。

専門店は、それに加えて今まで花を買った事のない人にわざわざお店まで足を運んでもらうしかない。大変ですよね。以前訪問したアメリカのガーデンセンターでは、無料バーベキューパーティーを行なったり、ケンタッキーダービーのイベント(ケンタッキーダービーで勝った馬は、バラのレイを首に掛けるらしい)を行なったり、ハーブを使った無料料理教室を行なったり、子供向けの無料イベントを行なったり、ホント色々仕掛けていました。本当に大変な努力をしている様ですが、でも、来てもらっちゃえば、量販店よりはリピート率を上げる事はできるわけですよね。


まあ、昨日ドイツのガーデンセンターをブラブラしながら、またそんなことを考えてました。

2012年5月13日日曜日

母に改めて感謝


今日は教会で、母の日の特別礼拝がありました。毎週教会では礼拝時に「週報」という礼拝や行事等に関することが書かれた資料を配るのですが、その中に、今日は親子の愛情を再認識させられる素晴らしい話がありました。今から約37年ほど前に、ある母子が書いた詩のやりとりです。

この詩の作者は山田康文くんといいます。生まれた時から重度の脳性麻痺で、全身が不自由で書くことも話すことも出来ませんでした。 養護学校の向野先生が康文くんを抱きしめ投げかける言葉が康文くんのいいたい言葉の場合はウインクでイエス、 ノーの時は康文くんが舌を出す、この作業の繰り返しで詩を書いたそうです。出だしの「ごめんなさいね おかあさん」だけで1ヶ月かかったそうですから、気の遠くなるような作業を経て、この詩は生まれたんですね。


ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう 
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを 
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる 
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

康文君の詩を、先生が彼の母親に見せた時、お母さんは無言でした。彼女はただ目頭を押えて、立ちつくしていたそうです。

そのお母さんから先生に、『私の息子よ』と題した詩が届いたのは、次の日のことでした。

私の息子よ 許してね
私の息子よ 許してね
このかあさんを 許しておくれ
おまえが 脳性麻痺と知った時
ああ、ごめんなさい!と 泣きました

いっぱいいっぱい 泣きました
いつまでたっても 歩けない
おまえを背負って歩く時
肩にくい込む重さより
「歩きたかろうね」と 母心
「重くない?」と 聞いている
あなたの心が せつなくて
私の息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたの姿を見守って
お母さんは生きていく
悲しいまでの 頑張りと
人をいたわるほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性麻痺の わが息子
そこにあなたがいる限り

この詩に表されたお母さんの心を受けとめた康文君は、また詩作に励みました。
ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい 
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

そしてその2ヶ月後、康文くんは亡くなりました。

この詩を読まれて、目頭が熱くならない方はいないと思います。

私もこの詩を読んで、自分が子供の頃の母との思い出がたくさん、たくさん甦り、しばらく、しばらくボーッとしました。母に改めて感謝をしました。

2012年5月2日水曜日

マーケット・リーダー



今、育種農場を廻っています。
昨日訪問したPAC社で沢山の育種途中のゼラニウムを見てきました。PAC社は現在ゼラニウムの育種能力では世界一だと思います。育種農場を廻りながら担当者と育種についての話をしました。4~5年で満足する品種が出来る事もあれば、その一方、20年近くも育種を続けていても完成しない品種もあります。なんでそんなに時間がかかるのかを聞きました。

「今の育種法では他の人の材料を使う事も可能だ。しかし、それでは、それ以上の品種を作ったとしても「2番煎じ」のレッテルを貼られてしまう。自分たちで材料を作りながら新しい品種を作っていく為には一朝一夕で良い品種は出来ない。」

おお、現場の人からいわれると説得力があるなあ。

以前、ポールセン・ローズがなぜ優れているのかのモーン・オルセン氏に理由を聞いたことがあります。それは、100年以上かけて集めた材料だそうです。このことはコルデス社のティム・ハーマン・コルデス氏も同じ意見でした。(ライバルなのに認め合ってるって、カッコいいですね!)実際、この2社のバラに比べると、F社のバラは、綺麗な花は沢山発表しても、品質面ではイマイチ(あまり悪く書くと怒られそう)と言われています。

ポインセチアで有名なポール・エッケが書いた本で知ったのですが、ちょっと前に一世風靡したウィンター・ローズという品種がありますが、あの品種はポール・エッケが1920年代の後半に自社の育種部屋で発見してから約80年後(なんと、孫の代になってから)に新しい品種として発表されたんですね。なのに、発表されるや否や、フィッシャーやデューメンもこぞって似た様な品種を発表してきましたよね。

勿論、これは何の問題もありません。しかし、業界やマーケットにどの様に見られるのか?PAC社の育種担当者が気にする「2番煎じのレッテル」がついてしまうことが、会社にとってデメリットにならないか?

ちょっと話は変わりますが、アメリカではサントリーのサフィニアはPWのスーパーチュニアに勝てないと今でも言われています。その理由は、アメリカで発表されたのがスーパーチュニアはサフィニアより半年早かったからだと言われています。育種はサフィニアの方が早かったのですが、ぐずぐずしているうちに、アメリカではスーパーチュニアが早く認知されてしまったんです。スーパーチュニアが栄養系ペチュニアなんだ、と思われたわけですね。日本で作られた技術をアメリカに教えたくない、とかいう遅れた島国根性が災いしたんですね。

マーケット・リーダーになる為には、何が必要なんでしょうかね。やはり、みんなから『ホンモノ』と認めてもらえる事でしょうかね。

2012年4月25日水曜日

今年はオレンジばっかりですね!




まずは、このサイトを見て下さい。

gpn magagineに書かれていた、今年のカリフォルニア・スプリング・トライアルズでの流行色は、パントンが今年の流行色に選んだタンジェリンタンゴという名前のオレンジ色に沿っている、とのことです。

上記のサイト上では、先日のトライアルで紹介されたオレンジ色の花の品種が沢山紹介されているので、英語が読めなくても意味は理解してもらえると思います。


パントンのサイトも、ついでに見て下さい。
今年の流行色は「タンジェリンタンゴ・オレンジ」ですと、紹介されています。


その他、今年の7月のオハイオ・ショートコースのホームページです。
オレンジを基本色にしています。

8月のIGCショーのホームページです。
ここでもオレンジ色が基本に使われています。


これらを見ていて感じました。花もファッションやインテリア等と同じ流行色があり、それを抑える事により、消費者のライフ・シーンにすんなり入り込むことができるという事なんだろうなあ。やはり、消費者のトレンドを理解する事は必要なんですね。洋服も、持ち物も、家の室内装飾も流行を追っているのに、花が流行遅れだと、消費者に、他の日用品と一緒に扱ってもらえないですよね。

写真は、PWが展示していた、「オレンジのテーマの庭」です。

2012年4月5日木曜日

カリフォルニア・スプリング・トライアルズ 2012

先週はカリフォルニアで毎年春に開催される、「カリフォルニア・スプリング・トライアルズ」に行ってきました。その時に見た沢山の花の中で、印象に残ったモノを紹介させて頂きます。

まず、トンプソン&モーガンのアネモネ咲きコスモス「Pink Pop Socks」。可愛いですね。固定率悪いけど、まあ、ご愛嬌でしょう。


クイーン・カランコエはエチレンガス試験を見せていました。透明容器の中にエチレンガスを充満させ、その中にクイーン・カランコエと他社のカランコエを入れます。2日経った結果、クイーン・カランコエ(右)の花は大丈夫ですが、他社のカランコエ(左)の花は、だいぶ痛んでいます。


ダンジガーのネメシア「Nesia Lemon」はクリアな花色と綺麗にまとまる草姿が魅力的でした。


ダンジガーの栄養系アリッサムは4色に増えました。現在、多くの育種会社がどんどん似た様な栄養系アリッサムを発表していますが、ダンジガーが一歩リードしている様に見えます。


シンジェンタのバーベナ「ラナイ・キャンディーケーン」は女性に好まれる花色だと思いました。


Plant Heavenの黒葉のコロカシア「Diamond Head」。これは欲しい!コンパクトなので日本でも十分使えそうですね。


カリフォルニアのトライアルの中で一番好きなパンアメリカン・シードでは、ペチュニア・ウェーヴの販売方法を具体的に提案していました。


同じく、パンアメリカン・シードです。黒いペチュニア、しかも実生系です。今年から日本でも栄養系の黒ペチュが出ると思いますが、もう実生系でパンナムは作っちゃいました。さっすが!ある意味KY!


もう1つ、パンアメリカン・シードから、枝垂咲き旺盛パンジー(勿論、実生系)「Cool Wave」。これ、4寸ポットです。これも欲しい!だれか今秋作る生産者がいたら、分けて欲しいです。


PWでは、ピンクの庭、オレンジの庭、などを提案していました。花色別寄植えプランターの提案はどこでもやっていますが、色のテーマを持たせた庭作りの提案は新しいですね。


番外編:ロスで行ったディズニーランドでエディブル・プラントの花壇を見つけました。なんでなのかよく分からないけど、「へぇ~」のポイントが高かったです。


以上!

2012年3月23日金曜日

三星


先日、サムソンのことを書きましたが、その後、ちょっと気になって、サムソンと日本企業の違いを調べてみました。

ほんの20年前までは、日本企業みんなが馬鹿にしていた三星(サムソン)電子は、3回の経営危機を乗り越え、経営危機の度にステップアップをし、今では世界トップクラスの企業に成長しました。この過程に置いて、まずは「危機意識」を持つことにより社内の体質改善をしたそうです。その後、新しい戦略を作っていったそうです。まずは守りを固めてから攻めたわけですね。

サムソンの戦略を読んで、面白いと思ったことがいくつかありました。

まず、サムソンが三流会社だった頃は日本の製品を真似して作っていたのですが、それを辞めて新興国市場に対しての「地域密着型マーケティング」に変えたそうです。当時、一般的な日本企業は安い労働力を求めて東南アジアに進出していったのですが、そうではなく、最初から新興国のマーケットに向けて進出していったんですね。また、日本企業と同じ土俵で勝負するのではなく、先進国の企業があまり目を付けていなかったBRICsのマーケットを取りに行ったんですね。

また、どの様な商品を作るのかも、日本企業とは違った観点から商品開発をしました。日本企業は商品に日本の最先端の技術を投入し、最先端の機能を持たせ、価格設定はコストを足し算して決めていました。それに対しサムソンは、過剰機能を落とし、新興国に合った必要機能のみを現地で開発し、その市場の消費者の経済力にあった商品を作りました。新興国のボリューム・ゾーンに対応したものづくりをしたんですね。

商品開発が他社商品を追ったモノであり、道徳的な問題点はあると思います。また、韓国政府を巻き込んでの粉飾決済の噂等もあります。で、個人的には、面白くありません。でも、サムソンは自分の努力の結果、今では日本の企業にも国民にも認められる会社になってしまったんですね。やるよなぁ!

2012年3月14日水曜日

追う者と追われる者と


昨日の日経ビジネスDigital版に、「追う者と追われる者と」という記事がありました。韓国企業がどのように日本企業に追いつき追い越したかについて書かれています。内容を要約すると、「90年代の韓国は国内経済が破綻し、国中が死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされていた。そのために、世界のどこだろうと飛び出して行って、死に物狂いで働いた。一方、日本経済は国内にそこそこのマーケットがあったため、国内需要に目が向き、世界の動きに疎くなった。その結果、現在の日本の製品メーカーは韓国勢に完敗を喫し、日本の素材メーカーは日本の製品メーカーではなく韓国の製品メーカーを重要顧客としている。30年前に白黒テレビを作っていた頃と、薄型テレビを作る現代とでは経営のプロセスが違っていて当然。半導体でも自動車でも同じ。世の中の変化に経営プロセスの革新が追いつかなくなったとき、企業の成長は止まる。」

日本の園芸業界はどうでしょうか?切花は輸入物に完全に敗れ去りました。鉢花も、韓国からの製品輸入は一部当たり前になっています。更に、現在は複数の海外企業や日本企業までもが製品輸入の可能性を模索しています。多分、その理由は日本国内で作られている鉢花が、「品質vs価格」の面で世界の動きについていっていないからなのではないでしょうか?

「昔と今とでは経営のプロセスが違っていて当然」の世の中。園芸業界の「経営のプロセス」はどれ程変わり、「世の中の変化に経営プロセスが追いついて」いるのでしょうか?国策によるゆとり教育が間違いだったことは証明されました。世の中の変化に遅れない様に、90年代の韓国企業の様に死に物狂いで働かなければ、企業は勝ち残ることは出来ないんですね。

2012年3月4日日曜日

タカマツ・スクール2012・・・ありがとうございました!


報告が遅くなりましたが、タカマツ・スクールが無事に開催されました。当日、何人かの欠席はありましたが、合計180名以上の生産者と販売店の方々にお集まりいただき、経営とマーケティングについて勉強しました。

かなり充実したセミナーの内容に対して、ボリュームが多すぎかと心配しましたが、参加された多くの方々からは「良かった!」とお褒めの言葉を頂きました。海外から来られたスピーカーの方々からも、「欧米のセミナーに負けない内容だ。」とありがたい言葉を頂きました。

セミナー後の懇親会は、北海道から九州までの生産者&販売店の方々の情報交換会の場となりました。また、料理を奮発したのは良かったと思いました。私は話してばかりであまり食べる暇がありませんでしたが、みなさん、料理のレベルに満足されている様子でした。やはり、結婚式場で行なうメリットはありましたね。

さて、セミナー後に、ジョン・スタンレー氏と話し合いをしました。

日本の園芸消費を伸ばす為に、現在の問題点は?
*流通形態:市場やベンダーの影響やマージンが大きすぎる。もっと、販売店と生産者がコミュニケーションを取り合い、効率よく付き合う必要がある。これが日本の園芸業界の将来に最もポイントとなる問題だろう。
*マーケティング:生産者がもっと消費者にアピールできる商品を生産するべきである。具体的な用途を説明できない商品は、販売店にも消費者にも分からない。逆に、具体的な用途が分かる商品は、販売店も取扱い易く、消費者にも分かり易い。
*販売店の販売技術:現在でも、綺麗に見せることは出来ているが、テーマの作り方や動線の作り方を学べば、もっと良くなるだろう。
*勉強:園芸業界には若い力が沢山入って来ている。これは良い傾向である。この若者達が、もっと勉強して知識と技術を取得していけば、明るい将来があるだろう。

具体的に、今すぐ、どの様なことが必要か?
*生産者&販売店:自分たちで定期的な勉強会。また、業界誌に、実際に為になるコラムを掲載してもらう。
*販売店:ストア・レイアウトや展示方法のルールを勉強する。(ワークショップなど)
*生産者:生産者の営業グループ(グループ・ユニークのようなグループ)を作り、実践を通して勉強する。

私たちが何をやらなければならないのかは明確です。まず、出来ることを探し、出来ることから取りかかりましょう。私としても、私の会社としても、業界の為に何ができるのか、より明確になりました。これから、もっともっとガンバります!

2012年2月15日水曜日

イマジン


私の通う教会の牧師がアメリカ出張中の為、先週の礼拝は東埼玉教会の木田先生が『愛の負債』というタイトルで説教されました。

「互いに愛し合うことの外は、何人にも借りがあってはならない。どんな戒めがあっても、結局『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』というこの言葉に帰する。愛は隣り人に害を加えることはない。だから、愛は律法を完成するものである。」(ローマ13章8~10節より抜粋)

普通、負債を抱える事は誰でもイヤだし、また、それを取り立てる側もあまり良い気持ちではありません。しかし、そのような返済をする事もなく、返済を要求する事もないのが『愛』だ、そして、お互いがお互いを愛し合うことができれば、その社会に於いてトラブルは無くなる、という話でした。

確かに、親が子供を愛する時、子供は当たり前の様に親の愛情を受けますし、親も子供から見返りを期待しません。今、成人した自分が親に対して愛情を持って接するのも、親は感謝はしてくれますが、当たり前の事であり、何ら親からの見返りを期待しません。

家族だけでなく、友達にも、同僚にも、近所の人にも、取引先の人にも、自分に関わる全ての人に、みんながみんな、そのような気持ちで接することができるのならば、理想的な社会になるんだろうなあ、などと考えていたら、ジョン・レノンのイマジンが頭の中に聞こえてきました。

正直、歌詞の無神論の箇所は嫌いなんだけど、好きな箇所があって、

Imagine all the people living life in peace.........
You may say I'm a dreamer.  But, I'm not the only one.  
I hope someday you'll join us, and the world will live as one............

写真は、10年前に撮った私の子供です。

2012年2月5日日曜日

差別とか、いじめとか・・・


私は17才の時にアメリカへ留学しました。フロリダの私立校に編入しました。日本にいた時は部活でキャプテンをしたり、そこそこ勉強もできたので、結構目立つ方だったと思います。ところが、アメリカに行ったら、逆の意味で目立っちゃいました。『アジア人』。徹底的に差別されましたね。日本で言う中高一貫校の様な学校だったのですが、12才くらいの小僧からもあからさまにいじめられる。反論したくても、喧嘩したくても、1人vs全員なので、勝負にならないんです。一度、30人くらいの生徒に囲まれましてね、私が手に持っていた物を奪い取られて、ポンポン投げ飛ばされて、ホント、情けなくて悔しかったですね。2人部屋だったのですが、ルームメイトもすぐに他の部屋に移って行っちゃって、まったく話す相手がいなかったです。フロリダは暑いところで、毎日3時過ぎにザーって雨が降るんですね。その雨を部屋から眺めていると泣けてきましたね。どうやって克服したかというと『勉強』でした。クラスが終わってから夜中まで毎日勉強し、テストで良い点数をとる事で周りを黙らせました。多分、毎日部屋で7〜8時間、長い時は10時間以上勉強したと思います。そして周りからだんだん認められる様になり、卒業アルバムには沢山の同級生から寄せ書きをもらえました。嬉しかったですね。

ところが、大学にはいったら、また『アジア人』ということで差別されました。クリスチャン大学だったのですが、いやあ、子供は非情ですね。ただ、ここでも『勉強』しました。やはりテストで良い点数をとる事で、認めてくれる人が少しずつ現れて来て、その人達が、私をいじめる人に対して意見を言ってくれる様になりました。ありがたかったです。映画に誘ってくれたり、自宅に呼んでくれて食事をご馳走してくれたり。彼達とは今でも交流があります。

その他にも、ショッピングセンターで知らない人に嫌がらせをされたりとか、いろいろイヤな経験はありましたが、それでも8年間アメリカで生活しました。なんか、負けたくなかったんですよね。

社会人になってから、仕事で韓国に行ったんです。それまで、韓国人があんなに日本人を嫌っているとは想像もしませんでした。理由は、韓国では小学校の時からみんな『日本人は悪い』という教育を受けているからなんですね。ですから勿論私も差別されましたよ。ただ、それまで差別されてばっかりだったから、その頃にはもう慣れていましたがね。でも、仕事を通して韓国人の友達が出来たんです。一度、彼と彼の弟と3人で食事に行きました。彼の弟はその時はまだ学生だったと思います。食事中、弟に聞いたんです。
私:「君は日本人をどう思う?」
弟:「嫌い!」
私:「でも俺も日本人なんだけど?」
弟:「高松さんはいい人だから好きだよ」
私:「今まで日本人に会ったことはあるの?」
弟:「いや、高松さんが初めて」

子供の頃、クラスが変わったり、新しい学校に入ったりすると、何だか分かんないんだけど理由も無しに「あいつ、どうもイヤだな」って人がいたりしませんでしたか?でも、何かのきっかけでお互いを分かり合えると、かなりの仲良しになったりしましたよね。

差別する人と差別される人、いじめる人といじめられる人、どちらが悪いってワケでもないし、どちらも可哀想かもしれませんよね。知らないから嫌いなのであって、知れば理解できるかもしれないし、知ってもらえないから嫌われるのであって、知ってもらえれば理解してもらえるかもしれませんよね。

写真は、私が大学生のとき、毎晩の様に寝泊まりしていたScience & Engineer の建物です。

2012年1月17日火曜日

花育


我が家はクリスチャン家族で、みんなで毎週教会に通っているのですが、日本全国のキリスト教教会が抱える共通の問題があります。『教会会員の高齢化』です。このブログを読まれている方の中でも、子供の頃に日曜学校に通ったり、ミッション系の幼稚園に通った経験のある方もいると思います。しかし、小学校、中学校、高校と成長するにつれてだんだんと教会を離れていってしまうんですね。残念ですね。教会がどんなに努力をして次世代のクリスチャンを育てようとしても、結果がついて来ない。なぜか?多分、こちら側からの継続的なフォローを続ける事が難しいんでしょうかね。勿論、親がクリスチャンであれば、ずっと継続的に教会に通わされるのですが、そうでない場合、子供の意志で教会に通い続けるのは随分難しい話だと思います。

園芸業界も、花育などのプログラムを通して子供達へ植物に触れる機会を作っていますが、その子供達が勉強としてではなく、日常生活の一部として、小学校、中学校、高校と継続して植物を楽しんでくれるといいですよね。でも、廻りからの継続的なサポートがなく、子供の意志で継続的に植物を楽しんでもらう事って可能でしょうかね?

先日、facebookで知り合った西日本の花屋さんが、「おじいちゃん、おばあちゃんが、孫に植物の楽しさを教える様な企画を作りたい」とおっしゃっていました。素晴らしい事ですよね。私たちも色々考えて考えて考えれば、子供達に継続的なサポートをする為のお手伝いが出来るんですね。

私の家の4軒隣りが小学校です。下校時間に私が花壇をいじっていたりすると、たまに子供が足を止めてくれます。花壇苗の植え込み方や、管理の仕方等を話してあげると、興味深そうに聞き入ってくれます。ちょっとは役に立ててるかなあ。

写真は、去年の春に娘と一緒にヨーロッパに行った時のものです。娘は園芸が必須科目に入っている普通校に通っています。

2012年1月3日火曜日

Generation Y


Generation YY世代)という言葉をご存知でしょうか?アメリカで1975年から1989年に生まれた世代をこう呼ぶそうです。その前の1960年から1974年に生まれた人を(カンの良い人ならお気付きでしょうが)Generation X(X世代)と呼ぶそうです。

先日、地元で高級スーパーをチェーン展開する会社の社長とお話しする機会がありました。スーパー業界も、園芸業界の様に昭和30年代から始まり高度経済成長に併せて伸びて来たそうです。売る側も、買う側も、団塊の世代の方々が中心になり栄えて来たんですね。しかし、町内でその時代に栄えて来たスーパーは、近年は大手資本のショッピングセンターに押され、後継者問題もあり、徐々に廃業に追いやられているそうです。

考えてみると、園芸業界で起こっている問題は、何も園芸業界内だけではなく、高度成長期に伸びて来た多くの産業に共通して言える事だと思います。供給者側が世代交代をしているのに、消費者を世代交代させられない。または、供給者が時代の流れについていけず、次世代の消費者を他の供給者(他の店、または他の業界)にとられてしまっている。


さて、Generation Xは、団塊の世代とは明らかに違います。Generation Yは、もっと違います。私が以前にアメリカのセミナーで聞いた説明では、Generation Xは『セックス・アンド・ザ・シティ』世代、あのテレビドラマに憧れる世代、つまり、セレブに憧れる世代だそうです。Generation Yは『インターネット』世代、バーチャル世代、人との対面会話を避ける世代、一般社会に溶け込むよりも自分たちだけの小さな社会を好む世代だそうです。まあ、何となく的を得ているなあと感じますよね。

とにかく、この様に消費者は変化しているんですよね。だから、Generation Xに合った販売方法は今必要なんだろうし、Generation Yに合った販売方法もそのうち必要になってくるはずですよね。

以前、あるお店の部長と話していた時に、彼が「POSシステムは過去のデータしか見れないから嫌いだ!」とおっしゃっていて、思わず苦笑しましたが、なるほど、未来のデータを見たいですね!

写真はフランクフルトにあるセレブ向けガーデンセンター、Sunflowerのレジの後ろ側です。お客様がセルフで荷造りするんですが、セレブ感いっぱいですよね。