先週は、弊社も出展したIFEXがありました。既存のお客様、新しい潜在取引先、多くの方々とお会いすることができた大変有意義な3日間でした。
しかしながら、その一方、大変残念な現象が起こっていました。
・種苗メーカーの出展が極端に減少している。
・海外の出展者が極端に減少しており、海外からの来場者も減少している。
・小規模ブースの生産者出展が増えている。
つまり、だんだんと、国内向けの市場の内覧会状態になってきている様に感じました。確かにそうなってしまうと、海外の人のIFEXに対する興味は薄れてしまいます。「井の中の蛙」状態で、「アジア最大の展示会」とうたうのはちょっと悲しい感があります。
この方向性が正しいのかを主催者に聞いてみたのですが、主催者はヨーロッパの例を引き合いに出しました。「なぜにオランダのホルティフェアがつぶれて、ドイツのIPMが成功したのか?」主催者の説明では、ホルティフェアはただの商品発表会でIPMは商談会だった、その違いが二つの展示会の成否を分けた、ということでした。これは明らかな間違いです。どちらも「注文を取り付ける場」ではありません。実際は、IPMがヨーロッパ全体をターゲットにした商品発表会であるのに対し、ホルティフェアはオランダ国内を対象にしたローカルな商品発表会であった。それにもかかわらず、ホルティフェアは出展料がIPMよりも高かった。何年も出展者は主催者にこの問題を解決する様に提案してきたのですが、主催者は耳を貸さなかった。という事実を多くのホルティフェアに出展していた会社から聞かされました。
ヨーロッパで重要視されている園芸業界の大きなイベントは3つあります。
・フラワートライアルズ(6月):この種苗会社のトライアルでは、新品種の紹介や技術的な情報発信が生産者に向けて行なわれます。
・アールスメア・オークション(11月):アールスメアの市場の中で行なわれる中小生産者が中心となっているバイヤー向けの商談会です。
・IPM(1月):大手の種苗会社と大手の生産者が中心になり出展している業界のトレンド発信をする展示会です。新しい人に出会える場です。
この様に3つのイベントは全く異なった性質のものであり、各々のイベントの持つ意味は大変大きいです。
さて、このヨーロッパの例と比較してみますと、IFEXの役割は八ヶ岳トライアルや市場の内覧会とは全く異質のものであるべきである事は明確です。主催者や一部の出展者がおっしゃる様な「注文を取り付ける場」でない事は明確で、トレンド発信の場であるべきです。この様な、ニーズと実際のズレが、現在のIFEXの「現象」として出てきている様に感じます。
園芸業界の人であればみんな知っている事ですが、園芸マーケットはこの10年来、極端な縮小傾向にあります。当たり前の事ですが、マーケットを増やすための努力を他人に任せるのではなく私達自らが行なわなければなりません。そのためには、IFEXは最適な情報発信の場です。地域に密着した活動やSNSを通しての情報発信も勿論大事ですが、この様な大きなイベントは、より効率的に多くの人々に情報発信できる最適な場所です。
今回、展示会開催中に他の出展者の方々と話をする機会がありました。現在出展されているほとんどの方々は「IFEXが直接注文を取り付けられる場所」ということに疑問を持たれており、「IFEXは情報発信の場」と捉えている様です。主催者にもどうか私達と同じスタンスに立ち、何のための展示会なのかを今一度よく考えて頂き、「アジア最大の展示会」にふさわしく、国内だけでなく、海外からの出展者・来場者にも魅力のある展示会に発展していって欲しいと強く感じました。
あと、出展料も他に合わせてもっと下げてくれれば尚更良いんだけどね。
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