私は17才の時にアメリカへ留学しました。フロリダの私立校に編入しました。日本にいた時は部活でキャプテンをしたり、そこそこ勉強もできたので、結構目立つ方だったと思います。ところが、アメリカに行ったら、逆の意味で目立っちゃいました。『アジア人』。徹底的に差別されましたね。日本で言う中高一貫校の様な学校だったのですが、12才くらいの小僧からもあからさまにいじめられる。反論したくても、喧嘩したくても、1人vs全員なので、勝負にならないんです。一度、30人くらいの生徒に囲まれましてね、私が手に持っていた物を奪い取られて、ポンポン投げ飛ばされて、ホント、情けなくて悔しかったですね。2人部屋だったのですが、ルームメイトもすぐに他の部屋に移って行っちゃって、まったく話す相手がいなかったです。フロリダは暑いところで、毎日3時過ぎにザーって雨が降るんですね。その雨を部屋から眺めていると泣けてきましたね。どうやって克服したかというと『勉強』でした。クラスが終わってから夜中まで毎日勉強し、テストで良い点数をとる事で周りを黙らせました。多分、毎日部屋で7〜8時間、長い時は10時間以上勉強したと思います。そして周りからだんだん認められる様になり、卒業アルバムには沢山の同級生から寄せ書きをもらえました。嬉しかったですね。
ところが、大学にはいったら、また『アジア人』ということで差別されました。クリスチャン大学だったのですが、いやあ、子供は非情ですね。ただ、ここでも『勉強』しました。やはりテストで良い点数をとる事で、認めてくれる人が少しずつ現れて来て、その人達が、私をいじめる人に対して意見を言ってくれる様になりました。ありがたかったです。映画に誘ってくれたり、自宅に呼んでくれて食事をご馳走してくれたり。彼達とは今でも交流があります。
その他にも、ショッピングセンターで知らない人に嫌がらせをされたりとか、いろいろイヤな経験はありましたが、それでも8年間アメリカで生活しました。なんか、負けたくなかったんですよね。
社会人になってから、仕事で韓国に行ったんです。それまで、韓国人があんなに日本人を嫌っているとは想像もしませんでした。理由は、韓国では小学校の時からみんな『日本人は悪い』という教育を受けているからなんですね。ですから勿論私も差別されましたよ。ただ、それまで差別されてばっかりだったから、その頃にはもう慣れていましたがね。でも、仕事を通して韓国人の友達が出来たんです。一度、彼と彼の弟と3人で食事に行きました。彼の弟はその時はまだ学生だったと思います。食事中、弟に聞いたんです。
私:「君は日本人をどう思う?」
弟:「嫌い!」
私:「でも俺も日本人なんだけど?」
弟:「高松さんはいい人だから好きだよ」
私:「今まで日本人に会ったことはあるの?」
弟:「いや、高松さんが初めて」
子供の頃、クラスが変わったり、新しい学校に入ったりすると、何だか分かんないんだけど理由も無しに「あいつ、どうもイヤだな」って人がいたりしませんでしたか?でも、何かのきっかけでお互いを分かり合えると、かなりの仲良しになったりしましたよね。
差別する人と差別される人、いじめる人といじめられる人、どちらが悪いってワケでもないし、どちらも可哀想かもしれませんよね。知らないから嫌いなのであって、知れば理解できるかもしれないし、知ってもらえないから嫌われるのであって、知ってもらえれば理解してもらえるかもしれませんよね。
写真は、私が大学生のとき、毎晩の様に寝泊まりしていたScience & Engineer の建物です。
すごく後悔している事がひとつあります。
返信削除彼はどこでどうしているだろうかと。
されることは克服できることもありましょうが、してしまったことというのもいつまでも付いて回るものですね。
『だからこそ・・・』といういい意味でこのことは生かしていくつもりでいます。
しかし、今でも注意していないと、思いもかけずそんな状態は出来ていることも・・・。
一人で生きていることではないと分かっていても、時には外しそうになってしまうという事がまだまだあります。