2012年3月23日金曜日

三星


先日、サムソンのことを書きましたが、その後、ちょっと気になって、サムソンと日本企業の違いを調べてみました。

ほんの20年前までは、日本企業みんなが馬鹿にしていた三星(サムソン)電子は、3回の経営危機を乗り越え、経営危機の度にステップアップをし、今では世界トップクラスの企業に成長しました。この過程に置いて、まずは「危機意識」を持つことにより社内の体質改善をしたそうです。その後、新しい戦略を作っていったそうです。まずは守りを固めてから攻めたわけですね。

サムソンの戦略を読んで、面白いと思ったことがいくつかありました。

まず、サムソンが三流会社だった頃は日本の製品を真似して作っていたのですが、それを辞めて新興国市場に対しての「地域密着型マーケティング」に変えたそうです。当時、一般的な日本企業は安い労働力を求めて東南アジアに進出していったのですが、そうではなく、最初から新興国のマーケットに向けて進出していったんですね。また、日本企業と同じ土俵で勝負するのではなく、先進国の企業があまり目を付けていなかったBRICsのマーケットを取りに行ったんですね。

また、どの様な商品を作るのかも、日本企業とは違った観点から商品開発をしました。日本企業は商品に日本の最先端の技術を投入し、最先端の機能を持たせ、価格設定はコストを足し算して決めていました。それに対しサムソンは、過剰機能を落とし、新興国に合った必要機能のみを現地で開発し、その市場の消費者の経済力にあった商品を作りました。新興国のボリューム・ゾーンに対応したものづくりをしたんですね。

商品開発が他社商品を追ったモノであり、道徳的な問題点はあると思います。また、韓国政府を巻き込んでの粉飾決済の噂等もあります。で、個人的には、面白くありません。でも、サムソンは自分の努力の結果、今では日本の企業にも国民にも認められる会社になってしまったんですね。やるよなぁ!

2012年3月14日水曜日

追う者と追われる者と


昨日の日経ビジネスDigital版に、「追う者と追われる者と」という記事がありました。韓国企業がどのように日本企業に追いつき追い越したかについて書かれています。内容を要約すると、「90年代の韓国は国内経済が破綻し、国中が死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされていた。そのために、世界のどこだろうと飛び出して行って、死に物狂いで働いた。一方、日本経済は国内にそこそこのマーケットがあったため、国内需要に目が向き、世界の動きに疎くなった。その結果、現在の日本の製品メーカーは韓国勢に完敗を喫し、日本の素材メーカーは日本の製品メーカーではなく韓国の製品メーカーを重要顧客としている。30年前に白黒テレビを作っていた頃と、薄型テレビを作る現代とでは経営のプロセスが違っていて当然。半導体でも自動車でも同じ。世の中の変化に経営プロセスの革新が追いつかなくなったとき、企業の成長は止まる。」

日本の園芸業界はどうでしょうか?切花は輸入物に完全に敗れ去りました。鉢花も、韓国からの製品輸入は一部当たり前になっています。更に、現在は複数の海外企業や日本企業までもが製品輸入の可能性を模索しています。多分、その理由は日本国内で作られている鉢花が、「品質vs価格」の面で世界の動きについていっていないからなのではないでしょうか?

「昔と今とでは経営のプロセスが違っていて当然」の世の中。園芸業界の「経営のプロセス」はどれ程変わり、「世の中の変化に経営プロセスが追いついて」いるのでしょうか?国策によるゆとり教育が間違いだったことは証明されました。世の中の変化に遅れない様に、90年代の韓国企業の様に死に物狂いで働かなければ、企業は勝ち残ることは出来ないんですね。

2012年3月4日日曜日

タカマツ・スクール2012・・・ありがとうございました!


報告が遅くなりましたが、タカマツ・スクールが無事に開催されました。当日、何人かの欠席はありましたが、合計180名以上の生産者と販売店の方々にお集まりいただき、経営とマーケティングについて勉強しました。

かなり充実したセミナーの内容に対して、ボリュームが多すぎかと心配しましたが、参加された多くの方々からは「良かった!」とお褒めの言葉を頂きました。海外から来られたスピーカーの方々からも、「欧米のセミナーに負けない内容だ。」とありがたい言葉を頂きました。

セミナー後の懇親会は、北海道から九州までの生産者&販売店の方々の情報交換会の場となりました。また、料理を奮発したのは良かったと思いました。私は話してばかりであまり食べる暇がありませんでしたが、みなさん、料理のレベルに満足されている様子でした。やはり、結婚式場で行なうメリットはありましたね。

さて、セミナー後に、ジョン・スタンレー氏と話し合いをしました。

日本の園芸消費を伸ばす為に、現在の問題点は?
*流通形態:市場やベンダーの影響やマージンが大きすぎる。もっと、販売店と生産者がコミュニケーションを取り合い、効率よく付き合う必要がある。これが日本の園芸業界の将来に最もポイントとなる問題だろう。
*マーケティング:生産者がもっと消費者にアピールできる商品を生産するべきである。具体的な用途を説明できない商品は、販売店にも消費者にも分からない。逆に、具体的な用途が分かる商品は、販売店も取扱い易く、消費者にも分かり易い。
*販売店の販売技術:現在でも、綺麗に見せることは出来ているが、テーマの作り方や動線の作り方を学べば、もっと良くなるだろう。
*勉強:園芸業界には若い力が沢山入って来ている。これは良い傾向である。この若者達が、もっと勉強して知識と技術を取得していけば、明るい将来があるだろう。

具体的に、今すぐ、どの様なことが必要か?
*生産者&販売店:自分たちで定期的な勉強会。また、業界誌に、実際に為になるコラムを掲載してもらう。
*販売店:ストア・レイアウトや展示方法のルールを勉強する。(ワークショップなど)
*生産者:生産者の営業グループ(グループ・ユニークのようなグループ)を作り、実践を通して勉強する。

私たちが何をやらなければならないのかは明確です。まず、出来ることを探し、出来ることから取りかかりましょう。私としても、私の会社としても、業界の為に何ができるのか、より明確になりました。これから、もっともっとガンバります!