今日は、私の住む柏市で高級スーパーマーケットを経営されている石戸社長の紹介で、ディトンにあるDorothy Lane Marketというスーパーマーケットに行ってきました。
このスーパーマーケットはアメリカで最も成功しているスーパーマーケットとしてビジネルモデルにされるほどの素晴らしいお店です。青山紀伊国屋スーパーと銀座三越のデパ地下が一緒になった様な感じ、と言えば分かってもらえると思います。でも、立地は普通の住宅街です。価格も普通です。
ディスプレイ方法とか、エンターテイメント的要素とか、スタッフの顧客に対するパーソナルサービスとか、こだわりの食材とか、色々勉強になることはありましたが、この売場を2時間半ず~っと観察していて、私がいつも探していたモノが見つかりました。1つの店舗の中で、上手に違うレベルの消費者をみんな満足させているのです。
1、料理の材料を自分で選んで買って行き、自分で料理する消費者。(まあ、これは当たり前ですね。)
2、料理の材料を自分で探すが、お店が料理してくれる。(なんと、お店の中にキッチンがあり、食材を買えばその場で料理してくれるんです。しかも無料で。)
3、お店が料理別の材料セットとレシピを準備してくれ(野菜や肉は既に切ってある。作るのが難しい料理は下ごしらえまでは済んでいる。)、仕上げは自分で作る。
4、デパ地下のお惣菜屋さんが沢山並んでいて、色々な出来合のおかずやお菓子などが選べる。
この4つの提案、やもするとどれかが手抜きになり、安っぽい提案になるのですが、どれも店全体のイメージを損なう事なく、上手に自己主張していました。今まで何十年と子供を育ててきた熟練の年配主婦も、共働きで仕事が終わってからお店に寄る40代の主婦も、新婚ホヤホヤの若奥様も、仕事場を抜け出して昼飯を買いにきたサラリーマンも、学校の部活帰りの子供達も、誰もが楽しんで、満足する経験が出来る、そんなお店です。
全然話は変わりますが、有楽町にニューキャッスルという昔から有名なカレー屋さんがあります。(立ち退きのため、今月で閉店らしいですが)以前、店のマスターがテレビの取材に答えていたのを思い出しました。インタビュアーの「人気の秘訣は何ですか?」という質問に答えて、「いろんな人の味の好みは違います。でも、サラリーマンもお年寄りも子供もみんなが好きな味があるんです。カレーは大衆食なので、みんな好みがあります。誰かが好きな味ではなく、みんなが好きな味を提供するのが長続きできる秘訣だと思います。」という様な話をしていたのを思い出しました。
さて、園芸店でも、
1、自分で花苗を買って行って、自分でプランターや花壇を作る消費者。
2、自分で花苗を選ぶが、お店が寄植えを作ってくれる。
3、園芸店が材料を準備してくれるが、自分で寄植えを作る。
4、店が作った寄植えプランターを購入する。
こんな販売方法があると思います。でも、これらの4種類の販売方法(=4種類の消費者)を同じ売場で満足してもらう為には、お店側の上手な提案とそれをフォローするスタッフが必要なのかなあ?・・・なんて事を考えました。勿論、消費者側からお店のスタッフに対して「こうして欲しい」なんて要望が出てくるとは思えません。特に初めて花屋に来る様な消費者からは。まして、お店の店員が初めて花を買いにきた人に「何かお探しですか?」なんて声をかけたら、そのお客さんは逃げちゃいますよね。
ですから、この様に、違うレベルの消費者に同じ売場で満足してもらえる様な販売方法を模索していかなければならないと思います。勿論、これは量販店のやる事ではなく、専門店だから出来る事だと思います。
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