2012年9月30日日曜日

アメリカの革命的ガーデンセンター




アメリカの業界紙、Today's Garden Centerでは、毎年、「全米の革命的ガーデンセンター・トップ100」を発表します。これは、ガーデンセンターが申込み、出版社からの質問に答え、それを数値化して順位を決められるイベントです。毎年、私はここで良い評価を得るガーデンセンターを、何件かピックアップして訪問します。

http://www.todaysgardencenter.com/revolutionary-100/

今年も、来年用の募集が始まったので、どんな質問事項があるのかを見てみました。100項目以上あるのですが、ちょっと面白そうなのを書き出してみます。


*現在どの様に店舗経営の勉強をしていますか?
*現在どの様に植物の勉強をしていますか?
*何人のお客様のメルアドを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人のお客様の住所リストを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人からfacebookで「いいね!」をもらっていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*地域新聞で何回取り上げられましたか?
*地域社会貢献をどの様におこなっていますか?
*地域の集まりにお店を開放していますか?
*季節店舗(春のピーク時のみ近所の駐車場等にオープンする簡易店舗)を何店舗持っていますか?
*どれくらいの頻度で店外ディスプレイを変えますか?店内ディスプレイを変えますか?
*あなたのお店が他のお店に比べて「改革的」なところは何処ですか?
*お客様に対して、どのようにSNSを有効利用していますか?
*経営に関して、どの様な事を他の販売店に教えてあげることができますか?
*POSシステムの有効的な使い方について説明してください。
*養生農場の面積を教えてください。
*在庫管理対策を教えてください。
*商品別の棚卸回転率を教えてください。
*従業員のトレーニング・プログラムを説明してください。
*従業員のトレーニングに年商の何パーセントを使っていますか?
*経営者のトレーニング・プログラムを説明してください。
*どの様なコンサルタントサービスを活用していますか?(会計、弁護士、資金繰、営業、マーケティング、建築、ディスプレイ、人事、など)

さて、このブログを読まれているお店の方がいらっしゃったら、これらの質問をどの様に感じられるのでしょうか?大変興味があります。

写真はこの夏に訪問したポートランド・ナーセリーの売場の一部です。このお店では多肉の楽しみ方提案をしていました。

2012年8月16日木曜日

MONROVIA



Monroviaという会社をご存知でしょうか?一度でもアメリカに行かれたことがある方ならばご存知だと思います。アメリカを代表するシュラブや宿根草の生産販売会社。簡単に言えば、PWの造園版です。

昨日付けのToday's Garden Centerを読むと、この会社のマーケティングに対する考え方が良く分かります。

2010年まで専門店向けに販売をし、マーケットをある程度網羅した後に、特定の量販店への卸しを始めました。そして、来年からは更に取引量販店を増やしていくとの事です。

Monroviaのカタログを見ると、本当に沢山の商品を扱っているのですが、以外とノンパテント商品が多いんですね。そして、それら大量の商品を上手に組み合わせてい、色々な提案を販売店に対して、消費者に対して行なっています。彼ら曰く、「私たちには沢山の商品と沢山の提案があるので、いくらでもマーケットを作る事はできる。」とのことです。

彼らの戦略には明確なルールがあります。
1、新商品は専門店のみ。量販店では特別な品種を扱うのではなく、一般的な品種を低価格で扱う。(生産者側も販売店側も、ちゃんと自分のマーケットを理解している。)
2、専門店・量販店とプリントポットやラベルを使い分ける。
3、量販店は1社ずつ取引を開始し、その量販店のマーケットを構築してから、次の量販店と取引を始める。(安易な売込みではなく、長期的な取引を目的として、お互いが一緒になって店頭での販売方法を模索しながら取引量を増やしていく。)

まあ、非常にもっともな事なんですが、日本ではこのように考えてマーケティングする生産者、仕入れるバイヤーがどうも少ない様に感じます。

2012年8月11日土曜日

花はもっと売れる様になるんでしょうかねぇ?




消費税の引き上げ法が成立してしまいましたね。

オリンピックに国民が浮かれて、みんなの意識が他にある時にこういう法案がさっさと通ってしまうっていうのは、毎度の事ながらホント姑息だと思いますね。

通常の企業であれば、抜本的な社内改革をして身を切りますよね。「無駄を省く」なんて甘ったるい考えでは会社はつぶれちゃいますよね。そして、なんとかやっていける体制にしてから、営業を伸ばしていきますよね。最近の日本航空などは良い例だと思いますが。ところが政治家ってそういう経営センスや危機感が皆無だから、すぐに安易な解決策を正当化して逃げる。経済アナリスト達でさえ、自分で会社を経営した事もなく、机上の理論だけで判断するので「背水の陣」のホントの意味が分からない。・・・まあ、こんな人達をまともに相手にしようにも屁理屈・ヘリクツ・へりくつばっかり並べて話にならないですがね。一般の会社だったら、ヘリクツばっかり言っていて、結果を行動で出せない社員ってダメ社員でしょ?

さて、文句はこれくらいにして・・・・。

消費税が上がると、消費者の財布のヒモはもっと固くなるんでしょうね。そうすると、花の消費はもっと下がるんでしょうか?下手すると、私たち園芸業界に携わる者達には死活問題にもなり兼ねないですよね。

欧米の人たちに聞くと、今景気が悪くて花が売れないかって言うとそうでもないらしいんです。「旅行に行けなくなったり、大きな買い物が出来なくなったりして、安価で気軽に楽しめるガーデニングは逆に人気が集まっている。」なんて話をよく聞きます。へぇ、そりゃすごい!じゃあ、日本の園芸業界も未来は明るいじゃん!って、そんなに楽観視していられるのでしょうかね?

うちの話なんですが・・・、
まあ、私の会社もそんなに潤っているわけではないので、ここ数年、私の給料は上がっていません。ただ、子供達に使うお金はだんだん増えてきています。家庭の中でも絶対必要経費はありますから、それらを削減しようにも限度があります。そうすると、うちの家内の場合、「旅行に行くのは高いから、ガーデニングを楽しもう」というような手軽な娯楽に切り替えるという発想はないみたいで、「旅行に行くのは高いから、やめる!」となってしまいます。勿論、私としては家に花が無いのは如何ともしがたいわけで、どうするかと言うと、私の小遣いから出すわけです。ハァ・・・。

もう何年も継続して花卉業界は衰退を続けているわけですが、こんな状態で、明るい未来はあるんでしょうかねぇ?

2012年7月17日火曜日

食品スーパーから学ぶ




今日は、私の住む柏市で高級スーパーマーケットを経営されている石戸社長の紹介で、ディトンにあるDorothy Lane Marketというスーパーマーケットに行ってきました。

このスーパーマーケットはアメリカで最も成功しているスーパーマーケットとしてビジネルモデルにされるほどの素晴らしいお店です。青山紀伊国屋スーパーと銀座三越のデパ地下が一緒になった様な感じ、と言えば分かってもらえると思います。でも、立地は普通の住宅街です。価格も普通です。

ディスプレイ方法とか、エンターテイメント的要素とか、スタッフの顧客に対するパーソナルサービスとか、こだわりの食材とか、色々勉強になることはありましたが、この売場を2時間半ず~っと観察していて、私がいつも探していたモノが見つかりました。1つの店舗の中で、上手に違うレベルの消費者をみんな満足させているのです。

1、料理の材料を自分で選んで買って行き、自分で料理する消費者。(まあ、これは当たり前ですね。)
2、料理の材料を自分で探すが、お店が料理してくれる。(なんと、お店の中にキッチンがあり、食材を買えばその場で料理してくれるんです。しかも無料で。)
3、お店が料理別の材料セットとレシピを準備してくれ(野菜や肉は既に切ってある。作るのが難しい料理は下ごしらえまでは済んでいる。)、仕上げは自分で作る。
4、デパ地下のお惣菜屋さんが沢山並んでいて、色々な出来合のおかずやお菓子などが選べる。

この4つの提案、やもするとどれかが手抜きになり、安っぽい提案になるのですが、どれも店全体のイメージを損なう事なく、上手に自己主張していました。今まで何十年と子供を育ててきた熟練の年配主婦も、共働きで仕事が終わってからお店に寄る40代の主婦も、新婚ホヤホヤの若奥様も、仕事場を抜け出して昼飯を買いにきたサラリーマンも、学校の部活帰りの子供達も、誰もが楽しんで、満足する経験が出来る、そんなお店です。

全然話は変わりますが、有楽町にニューキャッスルという昔から有名なカレー屋さんがあります。(立ち退きのため、今月で閉店らしいですが)以前、店のマスターがテレビの取材に答えていたのを思い出しました。インタビュアーの「人気の秘訣は何ですか?」という質問に答えて、「いろんな人の味の好みは違います。でも、サラリーマンもお年寄りも子供もみんなが好きな味があるんです。カレーは大衆食なので、みんな好みがあります。誰かが好きな味ではなく、みんなが好きな味を提供するのが長続きできる秘訣だと思います。」という様な話をしていたのを思い出しました。

さて、園芸店でも、
1、自分で花苗を買って行って、自分でプランターや花壇を作る消費者。
2、自分で花苗を選ぶが、お店が寄植えを作ってくれる。
3、園芸店が材料を準備してくれるが、自分で寄植えを作る。
4、店が作った寄植えプランターを購入する。
こんな販売方法があると思います。でも、これらの4種類の販売方法(=4種類の消費者)を同じ売場で満足してもらう為には、お店側の上手な提案とそれをフォローするスタッフが必要なのかなあ?・・・なんて事を考えました。勿論、消費者側からお店のスタッフに対して「こうして欲しい」なんて要望が出てくるとは思えません。特に初めて花屋に来る様な消費者からは。まして、お店の店員が初めて花を買いにきた人に「何かお探しですか?」なんて声をかけたら、そのお客さんは逃げちゃいますよね。
ですから、この様に、違うレベルの消費者に同じ売場で満足してもらえる様な販売方法を模索していかなければならないと思います。勿論、これは量販店のやる事ではなく、専門店だから出来る事だと思います。

2012年6月15日金曜日

どうして園芸人口増えないの?



ずっと前から不思議に思っていることがあります。私たちって、園芸人口が増えない事を悩みながら、園芸人口を増やす為の試みをしているのでしょうかね?

園芸ビギナーって専門店にはあまり行きませんよね?多分ほとんどのビギナーは量販店に行きますよね?

一部の特別な量販店はともかく、一般的な量販店でビギナーの人達は何を買ってどうすれば園芸を楽しめるのか分かるんでしょうかね?

店に教えてくれる人がいないから、自分で勉強するのですかね?わざわざ勉強しますかね?

ビギナーの人達がカットパックやカットパックに毛が生えた様な花壇苗を買って、何%の人が成功するんでしょうかね?

ビギナーの人が切り戻ししますかね?花ガラを取りますかね?肥料を与えますかね?殺菌剤・殺虫剤を散布しますかね?

ビギナーの人達に必要なのは、今年発表されたばかりの新しい品種ですかね?それとも、誰でも比較的簡単に楽しめる品種ですかね?

ビギナーの人達は量販店に行ったらどうすればいいんですかね?どういう商品が、無人販売の量販店に来るビギナーの為に必要な商品なのですかね?



一方、専門店にはビギナーを育てる役目はないのですかね?

量販店に教える人がいないんだから、専門店がビギナーを育てなければならないじゃないか!と思うのは私だけですかね?

一般的に、「専門店は敷居が高い」とビギナーの人達は思ってないのですかね?

専門店は、今まで花屋さんに行った事のない人を呼び込む活動をしているのでしょうかね?

花に興味がない人が「園芸教室」見に来ますかね?花を知らない人が「競り」に参加しますかね?楽しいイベントですが、それは趣味家向けですよね。

専門店で行なっている、ビギナーの為のイベントって何ですかね?



子供に対する『花育』ってのに、いつも違和感を感じています。勿論大事な事なんだけど、やはり家庭環境って大事ですよね。親が花を買わないのに、子供が小遣いためて花苗を買いますかね?第三者に一時的に花育をしてもらうよりも、親に継続的に教えてもらう方が良いですよね。親が花を楽しむ家庭の方が、子供も自然に花を楽しむ様になるんじゃないでしょうかね?じゃあ、子供への花育も大事だけど、彼らの親達への花育はもっと大事なんじゃないでしょうかね?それでは、親に対する花育は誰がするのでしょうか?

量販店はいろんな物売っているので、新しい消費者を作るチャンスは結構あると思います。ですから、その人達を振り向かせるディスプレイ方法と、簡単に成功する商品の提案が必要ですよね。スーパーでただ野菜と肉を売るのではなく、料理し易い様に切った野菜をクックDoみたいなソースと一緒にセットで売ったり、または、出来たお惣菜を1人前ずつ小分けにしてパックで売り「お皿に盛りつけるだけで完成」の様な提案ですよね。

専門店は、それに加えて今まで花を買った事のない人にわざわざお店まで足を運んでもらうしかない。大変ですよね。以前訪問したアメリカのガーデンセンターでは、無料バーベキューパーティーを行なったり、ケンタッキーダービーのイベント(ケンタッキーダービーで勝った馬は、バラのレイを首に掛けるらしい)を行なったり、ハーブを使った無料料理教室を行なったり、子供向けの無料イベントを行なったり、ホント色々仕掛けていました。本当に大変な努力をしている様ですが、でも、来てもらっちゃえば、量販店よりはリピート率を上げる事はできるわけですよね。


まあ、昨日ドイツのガーデンセンターをブラブラしながら、またそんなことを考えてました。