2010年6月18日金曜日

若手生産者に期待する事


今週はドイツ・オランダにフラワートライアルの視察に来ています。花壇苗で世界的に有名な育種会社が一同に揃い、ヨーロッパの生産者に対して自社品種をPRしています。

私も毎年生産者と一緒にこのトライアルを視察に訪れています。一番の目的はヨーロッパの育種会社との打ち合わせです。しかし、毎回日本の生産者と同行する理由は、日本の生産者に少しでも世の中の動きを理解して欲しいからです。以前のブログにもかきましたが、日本にはあまりにも「井の中の蛙」状態の生産者が多いことをとても悲しく感じます。

一昔前は日本とヨーロッパの園芸業界が10年の差があると言われていましたが、現在は10年どころか、全く追いつけない状態になっているように感じます。その理由が何かと言うととても簡単な事で、日本には「毎年同じ事をしている」生産者が多すぎるという事です。

特に、若手の生産者にはもっと外に出て、いろんなものを見て体験して欲しいです。園芸だけではなく異業界では何が起こっているのかも知って欲しいです。そして、毎年一歩一歩前進して欲しいと思います。

昨日、今回一緒に同行している生産者達とこんな話をしました。
サラリーマンの息子は学生時代沢山勉強をして、競争に勝てれば良い大学に入って、就職活動を丸一年行い、それで勝ち残れれば会社勤めができ、何年も勤めてやっと小さな家を購入することができ、それでも一生ローンの返済のために働き続ける。
一方、生産者の息子は、学生時代遊んでいても、就職活動をしなくとも、最終的には自宅に帰れる、という保険がある。自宅に帰れば、車を買ってもらい、結婚すれば家を建ててもらい、あまりにも不公平なほど恵まれている。「競争」というものを子供の頃から経験していないので、かなり平和ボケをしているところもある。

この様な恵まれた状況にいるのだから、それをメリットとして、沢山勉強して、もっともっと常に前進して欲しいと思います。社会に出てから勉強できる時間とお金がある事自体、サラリーマンと比べれば恵まれています。

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