2010年12月25日土曜日

贖罪





今から2010年前、神様が私たちの罪をあがなって下さる為に、その一人子、キリストをこの世に遣わされました。

神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。 (ヨハネによる福音書 316節)



たぶん、みなさんが無意識のうちに日常的にキリストを感じるのはカレンダーだと思います。「西暦2010」、救い主・キリストがお生まれになってから2010年経ちました。後年、キリストのお生まれになった年については諸説出てきましたが、しかし、「西暦」という時間の概念はもともと救い主キリストの生まれた年を「西暦1年」として作られ、それが2010年経った今も、私たちの時間の基準として使用されている事は、みなさんも知っている事ですし、疑いようの無い事実です。



先日、私の祖母が入居しているキングスガーデンに於いて、クリスマスの祝会が催されました。このキングスガーデンはキリスト教の信仰と精神に基づき運営されている福祉施設で、現在全国に43施設があります。私の祖母がこの施設に入る前、2カ所の別の施設を利用しました。理由はこの施設の人気が高く、多くの方々がウェイティング・リストで待っている状態だったからです。

何年も待った後に、やっとキングスガーデンに入居できた時の喜びは大変なものでした。また、今でも、この施設に入居できた事を大変嬉しく感じています。

キングスガーデンにお世話になる前の2カ所の施設と、このキングスガーデンの大きな違いは「人」です。ここのスタッフの方々、一人一人が大変献身的であり、心の底から喜んで仕事をしておられ、まさに神様の生きている証を見ている様に感じます。



私は子供の頃からキリスト教に触れてきて、キリスト教の学校、クリスチャンの企業、キリスト教会、などの成功を多く見てきました。そして、そこには常に共通したものがあります。それは「人」です。神様の愛を知り、また、神様に愛された様に、他の人たちをも愛することができる人達がそこには必ずいます。



「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮 辱する者のために祈りなさい。あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。求める者には、だ れにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。

人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人 を愛している。また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。返してもらうことを当てにし て貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。

しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと 高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」(ルカによる福音書 6 2836節)

2010年12月19日日曜日

森繁久彌さんの養女



今日は「クリスマス特別礼拝」で、我が教会期待の若手伝道師が説教をしました。最初はちょっと静かな話し方だったのですが、途中からだんだん熱がこもってきて、最終的には大変感動的な話にまとまりました。

説教の中で“クラーク桂子”さんの話が出ました。クラーク桂子さんと聞いてピンと来る人は少ないと思いますが、なんと森繁久彌さんの養女だそうです。

話の内容を森繁久彌さんの「大遺言書」より抜粋しました。

森繁さんには桂子さんという黒人と日本人のハーフの養女がいる。昭和41年文化放送の「今晩は、森繁です」という番組に小関桂子という女性から手紙が来た。 両親は行方不明、ハーフであるがゆえの悲惨な身の上に森繁さんはショックを受け彼女を引き取ることになる。その後桂子さんはアメリカのクラーク青年と恋仲になり、ロスで結婚式をあげようと、渡航手続きをしにアメリカ大使館へいった。ところが、パスポートもビザも出してもらえなかった。森繁さんは遠い目をして当時を偲ぶ。

「この子には国籍がありませんでした。戦後の混乱期のことだからといくら説明しても、納得してくれません。佐世保のころの住民票なんかを取り寄せて交渉しましたが、埒があかない。ーそこで私たちは、桂子を養女にしました。森繁桂子ーこれで文句があるか。文句はあると言うのです。ほんとうの国籍ではない。向こうも意地になっていたのかもしれません。女房が怒りました。大使館の人に、この子の幸福をメチャクチャにするつもりかと、噛みつきました。私がびっくりするくらいの剣幕でした」

森繁杏子夫人は森繁桂子さんを連れて、十日間つづけて大使館に抗議にいったという。さすがの大使館も折れて、とうとうビザは出た。夫人と桂子さんは、人目も構わず、大使館の門前で抱き合って泣いた。

横浜から船に乗って、桂子さんが渡米する朝がきた。クラーク青年はカリフォルニアで花嫁を待っている。森繁夫妻は、この日のために着物を一式用意していた。 赤の地に桜の花を散らせた振り袖だった。華やかな振り袖の混血児が船の甲板に現れた。船上の人たちも、岸壁の見送りの人たちも、声をのんで桂子さんに見入った。

「お父さまー」船縁にすがって花嫁は叫んだ。「お母さまー」

森繁さんは泣いた。涙が止まらなかった。傍らを見ると、杏子夫人は下を向いたまま顔を見せようとしなかったが、その指は森繁さんの掌を掴んで震えていた。

その後桂子さんは桂子クラークとしてカリフォルニアで幸せに暮らし、杏子夫人の一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌にかならず日本に帰ってきている。

ー森繁久彌の大遺言書より


「無償の愛」というのを理解できますでしょうか?神様が私たちを愛する事で、神様が何ら利益を得るわけではありません。これは親が子供を愛する事と全く同じです。子供のいる親には、この「無償の愛」の概念がよく分かると思います。


神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。(ヨハネ3:16)


2010年12月18日土曜日

出荷規格



ベトナム出張から帰国し、ひと息つく暇も無く国内の出張でした。

先週土曜の夜10時過ぎに帰宅し、それから翌日の勉強会の準備をし、日曜は教会を休んで、朝から静岡です。このところ休みが全く取れず疲れが溜っていますが、やっていることは自分が好きでやっている事ばかりなので負担にはなっていません。

静岡での勉強会は、別品目を生産する若手生産者が集まって作っているグループで行ないました。このグループは共通品目を作るグループでもなく、単なる共同出荷をするグループでもなく、どの様に自分たちの農場経営を改善できるかを栽培技術、管理能力、販売方法、などを勉強してより高みを目指す生産者のグループです。

勉強会の途中、ひょんなことからある事に気がつきました。それはA品とB品の線引きです。どの生産者も出荷の際にA品、B品と線引きをしていると思います。しかし、特に鉢物の場合、社長でなければA品、B品を取引先毎に分けることができない、ということがあるのではないでしょうか?○○園芸のA品はこれだ、B品はこれだ、と仕入担当者に理解してもらう為には、自社農場の誰もが(せめて出荷に携わるスタッフには)A品、B品の自社規格を理解していなければならないと思います。そのためにはA品、B品の花芽の数、開花数、株の大きさ、などを数値化する事は大切だと思います。

例えば、シクラメンならば、5寸2個入A品は株の直径がだいたい○cm、鉢上の株の厚さが○cm、株上の花芽の数が○本、開花数が○本、など。また、カランコエならば4寸12個入A品は直径がだいたい○cm、鉢上の株の高さ(花の高さ)が○cm、花芽の数が○つ、開花数が○輪、など。

生き物なので「規格化」というのは大変難しいとは思いますが、これが出来る事が販売店の信用を得られる事だと思います。線引きは必ずしも100点満点で無くても良いと思います。まずは80点以上、70点以上の線引きを目指してみてはどうでしょうか?

2010年12月10日金曜日

ダラット


今週はベトナムのダラットに来ています。弊社ではダラットからカランコエ、リーガー、オステオ、ハイビスカスの苗を輸入しています。今回はその苗の親株のチェックと採取する穂のチェック、今後の輸入計画の打ち合わせに来ています。



私が海外出張に頻繁に行ってばかりいるので、たまに生産者の方から、「会社は大丈夫かい?」と質問されることがあります。

勿論、心配する事もありますが、弊社のスタッフは、みんな私と同じ気持ちで働いていてくれ、カスタマーサポートにしても、企画にしても、経理にしても、まあ、任せていて大丈夫です。たまにポカをすることはありますが、誰でも完璧ではないし、“その後”はそれまで以上に改善されるので、結果としては問題ありません。

私自身が海外出張する事について、以前は色々な場所に行ける事が結構楽しかったです。しかし、歳と共に、また責任が増えると共に、だんだんと体力的にも精神的にも厳しくなってきています。



海外出張の内容は、新商品の開拓、業務と商品の改善、勉強、などが主です。

新商品については、現在は弊社がお願いするよりもメーカー側から依頼される事が多くなっています。大変嬉しい事なのですが、その期待に応えなければならないので、大変なプレッシャーになります。今週も、今まで取引を控えていたメーカーから2商品を依頼され、またこれが品種の特性は素晴らしいのですが、マーケティングが難しそうな商品なので、頭を痛めています。

業務と商品の改善については、だいたいが納品トラブルの対応とかお客様からのクレームに対する対応と改善策の模索なのですが、お客様の気持ちも分かりますし、メーカーの立場も分かりますし、これも大変難しい問題でプレッシャーになります。ただ、誰もがみんな仕事に対してまじめに一生懸命に取組んでいるので、その気持ちが伝われば大体の場合はそんなに大きな問題にはなりません。その気持ちを伝える立場にあるのが弊社なので、いやあ・・・。

勉強の内容は、日本の若手生産者の為に「今後の農場経営をどうすれば良いか?」と、販売店の活性化の為に「どのように消費者に楽しんで頂けるのか?」に的を絞っています。私たちはただ単に新しい品種を生産者に紹介するのが仕事なのではなく、消費者に花を楽しんでもらう為に、ブリーダー→種苗会社→生産者→流通業者→販売店→消費者という流れの中で弊社の出来る事を模索し、少しでも皆さんの役に立つ事が私たちの仕事だと思っています。当たり前の事ですが、消費者が求めているのは「より安く、より良いもの」です。この言葉の意味は色々ありますが、基本的には文字通りの解釈で外れていないと思います。そして、このような消費者の要望に応える為、生産者に対しては「どうすれば安く生産できて、利益を確保できるのか?」という経営改善と、販売店に対しては「どのように消費者に価格vs価値を伝えるのか?」という魅せ方について、私たちも皆さんと同様に勉強しています。勿論この事に関しても、園芸業界に携わる会社としての責任と理解していますので、色々と頭を悩ませています。



まあ、だらだらと書いてしまいましたが、こんな理由から海外出張をしており、なかなか手を抜く様な事はできません。私もいつまでも若くはなく、徐々に50才に近づいています。国内のカスタマーサポートについてはスタッフに任せられる様になったのですが、これから海外に対してもスタッフに任せられる様な体制を作っていかなければなりません。いやあ、色々考えるとやる事が次から次へと増えてきて、楽しくもあり、苦しくもあり、です。



これは農場の社員食堂です。ここで一緒に食事をしました。従業員の農場敷地内への食べ物の持込みは禁止だそうです。



ダラットの飛行場です。何とものどかな雰囲気です。



ホテル前です。やっぱりベトナムはバイク王国です。



ホテルの近所にあるガソリンスタンドで撮ったポインセチアです。完全に3メートルくらいはあります。

2010年12月5日日曜日

最高と最低


今日は最高と最低を味わいました。
弊社でお付き合いいただいている生産者のシクラメンを見に伺い、今年の夏の暑さにもめげず、大変素晴らしい物が出来ており、本当に感動しました。市場からの注文も十分すぎる程入っており、昨年よりも売上が良いだろうとの事。「こんな人もいるんだなあ」とひたすら感心しました。





そして、夜自宅に帰ってきて、近所のスーパーに買い物に行ったら、入口で見たのがこの写真です。5寸です。こんなシクラメンを仕入れる店の担当者も、本当に消費者の事を考えて仕入れているのだろうか?店の仕入担当者もあまりに消費者をバカにしているし、あまりに花卉業界をバカにしている。これが野菜だったらどうなんだ?こんな野菜を販売していいのか?

また生産者は、いくら失敗したとしても、このようなシクラメンを出荷して良いのだろうか?このような生産者がシクラメンを生産していて良いのだろうか?この生産者はあまりに消費者をバカにしていないだろうか?自分が買う立場だったらどうなんだ?こんなシクラメンを買って行って家で楽しめるのか?

出荷する方も出荷する方だが、仕入れる方も仕入れる方だ!

2010年12月4日土曜日

ブレない経営をする生産者


今週も生産者を廻っています。

青梅の方でポインセチアを長年生産されている生産者を訪れました。この方は私が最も尊敬する生産者の一人であり、毎年年末には近状報告とご挨拶を兼ねて伺います。

今年は、やはり夏の暑さの影響で一部の品種が被害を受けていましたが、それでもいつもと同じ、一目見て華があり、「持ちの良い」健強な作りになっており、固定客の期待を裏切らない商品に出来上がっていました。

この方は、春作もマリーゴールドを安定して生産出荷しています。3月から5月まで、長年の固定客の注文に応える為に、毎年決まった数量を決まった週に出荷しています。

日本におけるポインセチア生産の草分け的存在のこの方は、ポインセチアとマリーゴールドだけを作っているのですが、如何に生産効率を上げるか、如何に新しいマーケットを作ることができるか、常に経営の改善、新しい商品及びマーケットの模索に余念がありません。

以前のブログで老舗の条件について書いたのですが、この農場も、本業重視、信頼経営、透徹した職人精神、など、長く安定して経営する為に必要な事柄を実直に守られていると思います。