2010年8月20日金曜日

最近のガーデンセンターの傾向


勉強会と併設されている展示会を廻っていて、やはり目につくのが「エコ」、「オーガニック」、「環境に優しい」などの文字です。植物にしても肥料などにしても、店頭での売価は通常の商品より5~10%高い設定だそうで、それ以上の価格的な付加価値は望めないそうです。しかし、これらの商品の需要は年々速いスピードで高まっており、「エコ」、「オーガニック」、「環境に優しい」とうたえる商品と、そうでない通常の商品が並んで販売されている場合、環境に配慮している商品が明らかに売れるそうです。

「専門店の差別化」の授業で「価格 vs. 価値」についての話がありましたが、このような環境に配慮している付加価値商品の価値は、通常の商品より5~10%高い価格設定が、適切とされているのだと思います。



もう一つ目についたのは、やっぱり“野菜”です。「Grow Your Own(自分で育ててみよう)」などの看板も良く目につきます。で、この野菜苗も花苗と同じで、ポットのサイズアップの傾向にあります。10cmポットや12cmポットは当たり前で、15~20cmポットなども出て来ています。特に、ハーブやレタスなどは、12~15cmポットで、そのまますぐに食べられるくらいの株での販売が出て来ている様です。トマトなども、実付の6寸株で7.99ドルの売価設定がでてきています。

また、花壇苗の3品種植ポットという企画が数年前から欧米では出ているのですが、野菜苗の3品種植、4品種植ポットがでてきました。6寸のレタス・セットなどが7.99ドルの売価設定、8寸の実付トマトとハーブのセット植(その名もなんと「サルサ・セット」)が9.99ドルの売価設定で提案されています。

今回の授業で聞いた話ですが、アメリカでは、1994年に20%いたガーデニング・マニアが、2009年には5%に減ったそうです。特にこの10年間の減少が加速的だったようです。この10年間に新しいガーデニング愛好家を育てなかったのが原因で、講師は「失われた10年」と言っていました。この状況を打開するためにはガーデニング・ビギナーの開拓が急務であり、そのためには「ビギナー消費者に満足してもらえること、喜んでもらえることはなんでもやる!」という姿勢があからさまに表に出ています。

去年のオハイオの勉強会で、カナダにあるの有名なガーデンセンターの社長(たしかGreen Village Home & Garden)が話していましたが、ビギナー消費者を育てるポイントは、「すぐに結果を見せる」と「絶対失敗させない」だそうです。このレベルをクリアしてくれれば、中級のガーデニング愛好家になってくれ、そこからリスクを冒して「育てる楽しみ」を味わってくれるのだそうです。

この写真はハーブの寄植えです。

この写真は「サルサ・セット」です。

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