2013年10月13日日曜日

展示会の意義



先週は、弊社も出展したIFEXがありました。既存のお客様、新しい潜在取引先、多くの方々とお会いすることができた大変有意義な3日間でした。

しかしながら、その一方、大変残念な現象が起こっていました。
・種苗メーカーの出展が極端に減少している。
・海外の出展者が極端に減少しており、海外からの来場者も減少している。
・小規模ブースの生産者出展が増えている。
つまり、だんだんと、国内向けの市場の内覧会状態になってきている様に感じました。確かにそうなってしまうと、海外の人のIFEXに対する興味は薄れてしまいます。「井の中の蛙」状態で、「アジア最大の展示会」とうたうのはちょっと悲しい感があります。

この方向性が正しいのかを主催者に聞いてみたのですが、主催者はヨーロッパの例を引き合いに出しました。「なぜにオランダのホルティフェアがつぶれて、ドイツのIPMが成功したのか?」主催者の説明では、ホルティフェアはただの商品発表会でIPMは商談会だった、その違いが二つの展示会の成否を分けた、ということでした。これは明らかな間違いです。どちらも「注文を取り付ける場」ではありません。実際は、IPMがヨーロッパ全体をターゲットにした商品発表会であるのに対し、ホルティフェアはオランダ国内を対象にしたローカルな商品発表会であった。それにもかかわらず、ホルティフェアは出展料がIPMよりも高かった。何年も出展者は主催者にこの問題を解決する様に提案してきたのですが、主催者は耳を貸さなかった。という事実を多くのホルティフェアに出展していた会社から聞かされました。

ヨーロッパで重要視されている園芸業界の大きなイベントは3つあります。
・フラワートライアルズ(6月):この種苗会社のトライアルでは、新品種の紹介や技術的な情報発信が生産者に向けて行なわれます。
・アールスメア・オークション(11月):アールスメアの市場の中で行なわれる中小生産者が中心となっているバイヤー向けの商談会です。
・IPM(1月):大手の種苗会社と大手の生産者が中心になり出展している業界のトレンド発信をする展示会です。新しい人に出会える場です。
この様に3つのイベントは全く異なった性質のものであり、各々のイベントの持つ意味は大変大きいです。

さて、このヨーロッパの例と比較してみますと、IFEXの役割は八ヶ岳トライアルや市場の内覧会とは全く異質のものであるべきである事は明確です。主催者や一部の出展者がおっしゃる様な「注文を取り付ける場」でない事は明確で、トレンド発信の場であるべきです。この様な、ニーズと実際のズレが、現在のIFEXの「現象」として出てきている様に感じます。

園芸業界の人であればみんな知っている事ですが、園芸マーケットはこの10年来、極端な縮小傾向にあります。当たり前の事ですが、マーケットを増やすための努力を他人に任せるのではなく私達自らが行なわなければなりません。そのためには、IFEXは最適な情報発信の場です。地域に密着した活動やSNSを通しての情報発信も勿論大事ですが、この様な大きなイベントは、より効率的に多くの人々に情報発信できる最適な場所です。

今回、展示会開催中に他の出展者の方々と話をする機会がありました。現在出展されているほとんどの方々は「IFEXが直接注文を取り付けられる場所」ということに疑問を持たれており、「IFEXは情報発信の場」と捉えている様です。主催者にもどうか私達と同じスタンスに立ち、何のための展示会なのかを今一度よく考えて頂き、「アジア最大の展示会」にふさわしく、国内だけでなく、海外からの出展者・来場者にも魅力のある展示会に発展していって欲しいと強く感じました。

あと、出展料も他に合わせてもっと下げてくれれば尚更良いんだけどね。

2013年9月21日土曜日

“類似品にご注意”って、無理でしょ。



先日、ケルンでspoga+gafaという展示会に行ってきました。ヨーロッパではガーデニング商品に特化した有名な展示会です。各資材会社はこの展示会を大変重要視しており、弊社が代理店を務めるシューリッヒを始め、大手の会社は揃って大々的に出展しています。

そんな中、今回気になったのは、オシャレなデザインのプラスチック商品で有名なelhoの類似商品が、複数のドイツ・メーカー、イタリア・メーカー、スペイン・メーカーなどから、かなりの量が出展されていた事です。中国やアジアの国からの類似品なら分かるのですが、同じヨーロッパのメーカーからの類似品なんですね。まあ、それだけelhoの影響力が大きいからなのでしょうが、どうも節操が無い様に感じました。

そこで、elhoのセールス・マネージャーに、他社の類似品についてどう思っているのか話を聞いてみました。
彼曰く、他社が類似品を出してくるのは仕方が無いことだそうです。「他社の商品は類似品です。弊社がオリジナルです。」と説明して回っても、それだけで説き伏せられるバイヤーはいないそうです。確かに、高級ブランド商品ならともかく、普通の園芸資材でそこまでブランド力を求めるバイヤーもいないかもしれません。

それでは、どの様に類似品との差別化を図っているのでしょうか?

まず、毎年新商品の開発に力を入れているのは当たり前の事ですが、必ずしもヒットする新商品が出るわけではなく、やはり定番商品が売上の中で占める比率は高いそうです。その定番商品を類似品に負けない様に販売する方法は、やはり提案力だそうです。どうすれば小売店の利益が増えるか?どうすれば小売店での管理が容易になるか?どうすれば消費者に楽しんでもらえるか?どうすれば1消費者の購入額が増えるか?などなど、いろんな提案をするそうです。しかも、その提案は、スタッフが一人一人、自分の担当の小売店のことを考えて作るのだそうです。

まあ、当たり前の事と言えば当たり前なんですが、その提案の内容のいくつかを説明して頂き、スタッフ皆さんがすごく勉強されているのが分かりました。


さて、その夜、ホテルの近くのイタリアン・レストランで夕食を食べました。
そのレストランは値段も手頃でそんなに高級店ではないのですが、ウェイターが皆さん、スーツを着て、頭髪をきっちりキメて、ピカピカの革靴を履いて、テキパキ仕事をしているんです。もちろん、サービスも良く、料理もとてもおいしかったです。

そして、そこでビックリする光景を目にしました。出前サービスもしているのですが、なんと出前をする人も同じ様にビシッとした、まるで高級ホテルのルームサービスの様な格好で出前をしているんです。多分、出前を運ばれたお客様は大変嬉しいでしょうね。後でグーグルで調べたら、やはりその地域では一番人気のレストランでした。


高いホスピタリティで有名なディズニー・リゾートやリッツカールトン・ホテルの話にも共通するところがありますが、お客様に喜んで頂くために仕事をしているという事をスタッフ一人一人が信念とし、そのためにみんなが努力をして形にしていく。それが会社の信用となり、お客様に認めて頂ける会社になっていくのだと思います。お客様に認めて頂ければ、類似品が出てきても恐れることはないと思います。

2013年8月25日日曜日

一貫性とチャレンジ



今年も7月8月と沢山のセミナーを受けてきました。7月は主に生産農場の経営、8月は主に園芸専門店の経営。ずっと、いくつのセミナーを受けていると、その年その年によってキーワードが私の中で浮かんできます。今回浮かんできたのがタイトルのこの言葉です。

どの様な会社にも、その会社の基本価値があり、それを一般には「理念」や「一言集約」で現していると思います。そして、それが会社の強み・魅力であるとお客様は認識していると思います。これは不変的なものであり、これがグラグラしてしまったり、変更してしまうと、お客様は不安を感じると思います。ですから、会社は一貫性のある『顔』を維持しなければなりません。

一方、同じ事の繰り返しだけでは、会社は衰退してしまいます。会社には成長が必要であり、そのためには「新しい商品」、「新しい顧客」、「新しい取組」などへのチャレンジが必要になります。何人かの先生方の話を聞くと、会社の新しい取組というのは全体の5%と言う人から12%と言う人まで様々でした。多分、どれも正解なのだと思います。会社によって環境は違うので、それをひとくくりにする事はできないと思います。しかし、「新しい取組が無い」と言う事はあり得ないのです。また、「新しい取組ばかりで、今までのうちとは全く違うんだ。」というのもあり得ないのです。

私達を取り巻く環境は常に少しずつ変化しています。これは人間の人生に置き換えてみると分かり易いのですが、20才から50才になるまでに、自分は随分成長しているはずですし、掛かるものも随分と増えてきます。その間、毎年毎年自分を取り巻く環境の何かが変わり、それに合わせる様に自分も変化し、30年後には大きな変化になっているのです。

さて、弊社の取引先の農場や販売店では「新しい商品」、「新しい顧客」、「新しい取組」の構成比率というのはどれくらいになっているのでしょうか?来期に向けて、どの様な事業計画を立てているのでしょうか?また、弊社はそれをどの様にサポートできるのでしょうか?

奇しくも、弊社では、明日、明後日と丸二日を使い、来期の計画を決めるミーティングが行なわれます。ミーティングでは、全社員が理念の元に自分たちが何をやらなけらばならないかを話し合い、目的実現のために何が必要かを検討します。「学んで思わざれば則ちくらし、思うて学ばざれば則ちあやうし」。当たり前の事なんですが、再認識しました。

2013年6月21日金曜日

見習いたい農場


弊社の苗の仕入先のひとつにイタリアのラッゼリ社があります。この農場は私が好きな農場のひとつで、訪問する度に感心させられます。

まず驚くのは、とにかく綺麗です。会社のルールは簡単で、「病院の様に綺麗にしよう」だそうです。分かり易い言葉です。そして、実際に病院の様に綺麗になっています。

事務棟のなかは本当にチリひとつ落ちていません。


食堂以外での飲食は禁止です。(水のみ可。)私も以前、コーヒーを持って食堂を出ようとして注意されました。


農場内もご覧の通りです。



ハウスの周りも常に清掃しており、やはりゴミはいっさい落ちていません。


工具置場もこの通り。

良い仕事をする為、良い従業員教育の為に、見習いたいと思います。



もうひとつ、この農場の好きなところがあります。
この古いハウスは1954年に建てられた一番最初のラッゼリ社の鉢花用ハウスです。この一番最初のハウスをメンテしながら使う事により、新しい従業員に創業者の気持ちを感じてもらい、モノを大切にする姿勢を教えているのだそうです。

参考になりましたでしょうか。

2013年5月17日金曜日

アメリカの生産者の現状




アメリカの2013 Greenhouse growers White paper (2013年温室花卉生産者白書)が出まして、中身を読んでみました。

この白書の中では、アメリカの生産者を対象にいろんな調査をしています。その中で面白い質問をいくつか紹介させてもらいます。

増殖方法、移植方法はどうしていますか?(複数回答)
1 穂挿し機や移植機を使用  53%
2 播種機を使用       66%
3 手作業での播種や穂挿し  77%
穂挿しの機械や移植の機械を使用している農場が53%もあるんですね。この質問にはコメントが書かれており、移植機は人間の30倍効率が良いそうです。

潅水はどの方法を使用していますか?(複数回答)
1 チューブ潅水    96%
2 手潅水       82%
3 自動散水装置    67%
4 底面給水      33%
チューブ潅水を利用している生産者が96%ってのは驚きですね。意外と底面給水が少ないんですね。

使用した水は再利用していますか?
1 はい  76%
2 いいえ 24%

どういう害虫対策をしていますか?
1 化学的防除のみ           17%
2 化学的防除が中心で、一部生物的防除 64%
3 生物的防除が中心で、一部化学的防除 19%
4 生物的防除のみ            0%

温度調整や照度調整はコンピュータ化されていますか?
1 はい   100%
2 いいえ    0%

この10年間で、品質向上の為に一番注力した事は?
1 施肥プログラム        19%
2 生産過程のオートメーション化 17%
3 培養土            15%
4 隔離農場生産         10%
この質問にもコメントが書かれており、どれかを改善すれば良いのではなく、全てを改善しなければならない、とのことです。

お金があったら何に投資をするか?(順位は書かれていませんでしたが、興味のある答えをいくつか書き出してみます)
ー もっと能力のある従業員を雇う
ー RFIDによる、在庫、受発注、出荷の管理
ー 農場内、事務所内のコンピュータ化
ー 隔離農場を増やす
人材の話は別として、何にしても「オートメーション化」という結論になっている様です。

2013年4月29日月曜日

アメリカの生産者が『最終形』なのかなあ・・・



先日アメリカに出張に行った際に、ロサンジェルス郊外の生産者を訪問しました。この生産者はホームデポに納品をしており、特に、彼の農場の近辺のホームデポでは、ほぼ全植物を彼が納品しているそうです。

勉強の為に彼が納品している店舗に連れて行ってもらいました。

納品などのルールは、ホームデポの担当者と話し合いながら、レイアウトから全て彼の方で作るそうです。POSシステムが農場にも繋がっているので、商品構成はだいたい外さないそうです。什器はお店持ちですが、販促物は全て彼が準備しています。

プリントポットも彼の方で準備しています。ちなみに「VIVA!」は彼が作ったホームデポ用のブランドだそうです。

売上は「Pay-By-Scan」(レジを通ったら生産者の売上が立つ)方式で、店頭に並んでいる商品は全て自分の在庫です。ですから、管理も全部自分たちでします。そんなことして利益が出るのかと思うのですが、彼の説明に納得しました。

納品時に売上を立てて店に商品の管理をさせると、店頭ロスが20%にもなる。つまり、自分たちは20%ぶん、買いたたかれる。しかし、自分たちが管理をすると店頭ロスは6%もない。つまり、14%利益が増える。また、店頭のメンテも出来て補充もタイムリーにできるので、店の売上も伸びる。だから自分たちで店頭管理する方が儲かる。

ちなみに、この方法でお店に渡すのは売上の約15~35%ほどで、商品によって掛け率が細かく別れているそうです。また、自分たちがお店を廻る頻度は、繁忙期で1~3回/日、閑散期で3~4回/週だそうです。

日本で生産者と時々「何が理想の形なのか?」について話し合いますが、日本もこうなって行くのでしょうかねぇ?これも選択肢のひとつなんでしょうかねぇ?考えさせられますね。






企業が伸びるための戦略


先週から広州~香港と展示会を廻りました。昨日は折角香港に来たので美味しい料理を食べようと、日本人に人気のあるらしいローストダックが有名なお店に行きました。しかも、品切れにならない様にと、夕方の開店とほぼ同時にお店に突入しました。
でもローストダックだけ注文するわけにいかないので、ウェイターに何がオススメか聞いたんですが、何とビックリ「ローストダックよりもローストポークが美味しいよ。」との返事です。

「こいつ、自分の職場を裏切ってるじゃん。」と思いながら何気なく周りを見渡すと、確かにみんなローストポークを食べている!いやぁ~、こういうことってあるんですね。
考えたあげく、ローストポークとローストダックの半々盛りを頼みましたが、確かにローストポークの方が美味しかった・・・。


ここで「どうしてなんだろうなぁ~」と考えてしまうのが私の悪いクセです。
シェフが変わったのか?
オープン当初と現在の客の味覚が変わったのか?
店が方向転換をしているのか?

まったく不思議です。なんたって、ほとんどの客が(しかも、観光客には見えない)ローストポークを注文しているんです。勿論、観光客の様な人達もおり、その人達はローストダックを頼んでいました。



まあ、疑問を感じながらも、腹ごなしにホテルまでの道を電車に乗らずにテクテクと歩いて戻りました。その途中、なんと、あの綺麗な下着で有名なVistoria's Secretを発見!しかも、看板を見る限り、香港に新進出らしい。これは覗いてみなくては。へへへ・・・。


ええっ! お店に入ってビックリ!! 下着がない!? 陳列してあるのはコスメとアクセサリーばっかり。なんで???

勿論、お店の人に体当たりで聞きました!
「なんで下着が無いの?」

お店の人が言うには、「地域ごとに違ったコンセプトを持って出店しており、アジアにはこの商品構成とこの店のイメージで進出する事にしました。」

なるほどなぁ・・・。言っている事は分かったけれど、あの綺麗な下着が無いのはさびしいなぁ~。


と、ここで、さっきのローストダックとローストポークの話が見えてきました。もやもやしていたのがはっきりしてきて、点と点が線で繋がった様に感じました。そうだよなぁ、物事はもっと広い視野で見ないとダメだよなぁ・・・。

さっすが中国人。侮れない。良い勉強をしたぞ!

2013年2月1日金曜日

花に興味が無い人に、花を楽しんでもらう


最近、人前で話をする機会が何度かあり、その準備の為に色々な資料に目を通していて、ビックリするデータを目にしました。

農水の発表する花卉類の出荷額の推移を見ているとき、その数字の中から「鉢物類」と「花壇用苗物類」を取り出して表にしてみました。すると、なんと過去8年(2004~2011年)で22.2%も落込んでいるではありませんか! 

で、外国はどうなんだろうと思い、アメリカの同じくカテゴリーの数字の推移を調べてみました。すると、なんと、±0%! アメリカだってサブプライムローンの問題(2008年)から不景気になったのに、それでも花の卸し総額はそれ以前のレベルを保っている!

ただ、私はこの数字の違いを見てピン!と来ました。

それはなにか・・・

じゃ~ん!

日本 → 玄人向けマーケティング
  vs.
アメリカ→素人向けマーケティング

一般の会社の営業でも当たり前の話しなんですが、現在のお客様100%に対して100%販売しようと思っても、結果は80%になってしまうんですね。120%のお客様に対して120%販売しようと努力するから、結果が100%になるんですね。じゃあ、この20%は誰なのかというと、現在のお客様ではなくて、新規のお客様になるじゃないですか。それでは、新規のお客様を他店から引っ張るか?出来れば良いけど、他店も頑張っているのでそんなに簡単な話しではないですね。ましてやマクロの市場を考えると、それではマーケットが増えようが無い。ですから、20%のお客様というのは「園芸店に来ていない人」という事になると思うんです。

もちろん、販売店の方々は「そんなの良く分かってるよ。」とおっしゃると思うのですが、結果として新規開拓が出来ていない事が、農水の数字に表れていると思うんですよね。

それでは、「玄人向けマーケティング」と「素人向けマーケティング」の違いは何か?これは簡単ですね。一方は植物を知っている事が前提で、もう一方は植物を知らない事が前提となるわけです。

しかし、これは難しい話ですよね。お店に来ている植物を知っている人100%の人へ販売するのと、お店に来ていない植物を知らない人20%へ販売するのは比べ物にならないくらいの差があると思います。まして、20%に購入してもらう為には何百%、いや何千%、いやいや何万%の植物を知らない人にアプローチするしか無いのでしょうかね?

あ~、それってどうすりゃいいんだろ?でも、アメリカではやっている。素人に対する販売がちゃんと出来ている。ん~!まずは、やっぱり、どうして植物を買わないのか?や、どうやったら植物に振り向いてもらえるのか?から考えなければならないのかなぁ!?

2013年1月3日木曜日

ディスプレイ作成のワークショップ



明けましておめでとうございます。
全国を見ますと、豪雪で大変な思いをされている地域もある様ですが、関東は晴天続きの正月となりました。毎朝、気持ちがいいです。

さて、年が明けて2日間、自宅でゆっくりする時間が与えられ、本を読んだりCDを聴いたり、普段出来ない贅沢な時間を過ごしました。そして、自分の事、仕事の事、いろいろと考えることができました。

弊社の理念の中に、「お客様の満足、取引先の繁栄」という言葉があります。説明すると長くなるのですが、ひと言で言えば「“みなさんに喜んで欲しい、みなさんに幸せになって欲しい”という私たち高松商事のスタッフの気持ちを形にして伝えたい。」ということだと思います。「みなさん」というのは、私たちが直接関係しているステークホルダーのみではなく、その先の人達も含まれます。

だからと言って、私たちは自分たちが目立ちたいとは考えていません。私は『上善は水の如し』という有名な老子の言葉が好きです。自分の利益訴求ではなく利他を常に念頭に置き、我を張らずに周りの環境に併せて適応し、常に謙虚な姿勢で物事を学ぶ。

私たちが家族に対して抱いている愛情と同じ様に、社内のスタッフに対して、取引先に対して、地域社会に対して、「みなさん」に対して、考えることができれば良いなあ、と思います。

毎年、何か新しい事をやってみようと思うわけではないですが、ただ、本来自分が理想とする姿に少しでも近づきたいと思います。常に意識をしていれば、どんなに鈍くとも少しずつは近づいているのではないかな、と思います。



さて、弊社では毎年2月に生産者と販売店に向けての勉強会『タカマツ・スクール』を開催しています。今年も2月22日に予定しており既に多くの方々に申込を頂いておりますが、今回は初の試みとして、勉強会前日の21日に「魅力的な店頭ディスプレイ作成を学ぶためのワークショップ」を設けてみました。オーストラリアより専門講師をお呼びし、丸一日かけてディスプレイの勉強をします。詳細は次の様になっております。ご興味のある方は弊社または私の方までご連絡ください。


ワークショップのプログラム

開催日時:2月21日(木)10時~3時半
開催場所:ジョイフル本田荒川沖店

10:00 ― 13:00 パワーポイントを使用しディスプレイについて講義
 • 植物を使ったイメージ・ゲーム
 • 客の動線を理解する
 • 店内のどこにどの植物を置くか、またその理由
 • 植物の陳列方法は直線だけではない
 • ディスプレイ方法のポイント
 • ライフスタイル・ディスプレイ
 • パワー・ディスプレイ
 • 陳列ベンチのディスプレイ
 • 関連商品をまとめたディスプレイ
 • ディスプレイのメンテナンス
 • “ZARA”の販売方法を園芸店に流用する

13:00 ― 13:45 昼食

13:45 ― 15:30 ディスプレイ作成(8つのグループ)
 • 植物のパワー・ディスプレイ
 • 植物ベンチ脇のディスプレイ
 • レジ周りのディスプレイ
 • 植物の陳列ベンチでのディスプレイ(インドア)
 • 植物の陳列ベンチでのディスプレイ(アウトドア)
 • 樹木や低木のディスプレイ
 • シアター・ディスプレイ
 • 資材のパワー・ディスプレイ

※ 参加者には、講師のジョン・スタンレー氏より「300の販売アイデア」プレゼントされます。

2012年12月4日火曜日

全米で一番大きなナーセリー



 昨日はコスタ・ファームズという、全米で一番大きなナーセリーに視察に行ってきました。どのくらいの大きさかというと生産面積が約1700ha、従業員は約2,800人、パートも含めると4,500人という規模だそうです。機械のメンテもスゴい量なので自社で修理工場を経営したり、培養土も年間に数千コンテナ使うので培養土会社を経営したり、中国からの輸入資材も常時40コンテナくらい在庫しているので中国資材会社を経営したり、まあ、規模が大きいです。
 折角なのでアメリカの業界動向について聞いてみました。現在、アメリカの園芸業界は大手の生産者20社くらいでだいたい動いているそうです。この20社は育種会社と直接契約をし、自社で苗生産をし、小売店に直接販売をしています。種苗会社もベンダーも介在しません。そんな隙間は無いそうです。
 では、この20社以外の中小生産者はどうやっているかというと競争力で負けて来ており、安全な経営の選択として大手20社の下請けになってきているとのことです。しかし、コスタ・ファームズにも下請け生産者が身売りをして来ており、それがコスタ・ファームズの規模拡大に拍車をかけているそうです。
 どうして大手が伸びているのか?どうして彼らは大手になれたのか?会社により色々な特色はありますが、だいたい共通している事は「どれだけ販売店のワガママを聞けるか。」だと営業部長が言っていました。「競争になれば相手の要望を聞ける方が勝つに決まっているだろ。」なるほど、おっしゃる通りですね。コスタ・ファームズの本社農場があるフロリダ州のマイアミはアメリカの東の南の一番下です。フロリダ州を出るのにも車で8時間かかるそうです。西海岸のカリフォルニアまで大型トラック一台45万円かかるそうです。それでも西海岸の生産者に勝つ為には、価格はもちろん、どれくらいカスタマー・サービスが出来るかにかかっているそうです。

 さて、日本の生産者の皆さんはどうでしょうか?あまりにも比較対象が大きいので、現実的な所から考えてみましょう。例えば、最近は一部の花壇苗生産者の間では年間生産品目を紹介する綺麗なカタログが作られ、出荷時期、生産規格、生産量、希望単価、などが明確に分かる様になってきています。綺麗な印刷をしなくても、カラー・コピーでも良いので、自分の生産している品目の紹介は写真入でするべきだと思います。弊社だって生産者に種苗を販売するのに、品種を紹介する写真や苗規格などの情報は生産者にとって必要ですものね。だから、販売店の方々にとっても同じだと思います。その他にも、生産規格、出荷時期、希望単価、などは生産者の都合ではなく、販売店の都合に合わせられると良いですよね。その先を言うと色々と出てきますが、まずはその辺りから形にしていく事ってやり易いんじゃないですかね。

 まあ、どれだけ相手の気持ちを考えて仕事ができるかが大事なんじゃないかな、と思うのですが、かく言う私も、日常生活の中では家内の気持ちを考えられずに軽率な行動をとり怒られてばかりなので、なんとも難しい話なんですよねぇ・・・。

2012年10月31日水曜日

切花と花壇苗と鉢花と何が違うの?




切花生産者は切花を材料として提供していますよね。花壇苗生産者も花壇苗を材料として提供していますよね。ここで、素朴な疑問なんですが、鉢花生産者は鉢花を材料として提供しているんですかね?それとも完成品として提供しているんですかね?


さて、花の完成形って何なんでしょうか?切花は花瓶に活けたりブーケを作って完成形になるのは分かります。花壇苗はプランターや花壇や庭に植え込んで綺麗に咲き誇ったり、綺麗な景観ができたら完成形なんだと思います。鉢花はどの時点で完成形なんでしょうか?一般的には生産者の農場から出荷される時点で完成形だと考えられているように感じるんですが、どうなんでしょうか?

切花は出荷された後に完成形にする段階で長さを調整したり枝を取ったりしますよね。花壇苗は植え込まれた後に完全に草姿が変わりますよね。鉢花は草姿は変わりませんよね。だから出荷の段階で完成形なんですかね?

でも、お店で加工する場合もありますよね。特に付加価値をつける場合には。それとも、ホーム・ユーズとギフトで別れるんですかね?ホーム・ユーズの場合は生産者が出荷する段階で完成品、ギフトの場合はお店で加工して完成品なんですかね。生産者も「今回は材料として出荷するんだ」なんて表現を使いますもんね。


ただ・・・、ん~、ちょっと納得しないことがあるんですよねぇ~。しかも2つ。

切花も花壇苗も消費者が好きな花瓶を選んだり好きなプランターに自分の好きな様に複数の苗を寄せたりして自分なりの楽しみ方が出来るじゃないですか。鉢花は生産者から出荷される段階で完成形になっていたら、消費者が自分の好きな様に楽しめないじゃないですか。いや、消費者が自分の好きな様に、例えば綺麗な鉢カバーに投げ込んだりして楽しむとすれば、生産者から出荷される段階ではやっぱり材料なんじゃないのかな?

もう1つは、切花を活けて楽しむ為の花瓶って結構しますよね。花壇苗のプランターも結構しますよね。しかも、花瓶もプランターも何回も使えますよね。それに比べて生産用のプラ鉢は安すぎないですか?で、しかも使い捨てでしょ?言ってみれば コーヒーを紙コップで飲むのとちゃんとしたコーヒーカップで飲むのくらいの違いがあるんじゃないですかね?それで完成形って、チョットどうなのかなぁ~?

だから私の結論として、「鉢花は出荷される段階では材料ですよ。でも、器にこだわらなければ、そのままでも完成品として楽しむ事はできますよ。」というのが正しいのではないか、と勝手に決定しました!


そ・こ・で、私は言いたいことがあります。そうなんです。ここからが私の言いたい事なんです。

消費者だって鉢花を自分の好きな様に楽しみたいんだから、楽しみ易い形で出荷して欲しいですよね。まあ、販売店との共同企画などで変わった鉢を生産者が使ったりする事もあると思いますが、普通は普通の鉢で出荷してくださいよ!

私の家では季節によって鉢カバーを変えたりして鉢花を楽しむんですが、鉢カバーに入らないヘンテコな形の鉢で出荷されたら、困っちゃうんですよねぇ。寸胴でデカいのとか、四角っぽいのとか、長いのとか・・・。それとも、「鉢は生産者の好みに合わせろ!」って言うんですかね?チョットそれは酷くないです?

だから、生産者は基本はお店や消費者が加工し易い鉢で出荷してください!これ、私、一消費者としての意見です。どうか宜しくお願いします!

2012年10月29日月曜日

園芸店のマーケティング




先週は中国・広州の交易会に行ってきました。この交易会には毎回数えきれないほどの中国の製造会社や販売会社が出展しています。出展者を廻りながら最近の景気を聞いてみました。多くの会社が欧米の不景気の影響で仕事が減っているとの事でした。今まで来ていた取引先が来なくなったり、取引はなくても今までブースに寄ってくれていた会社が来なくなったり・・・。

廻っていて気がついたのですが、そういえば、ここに出店している会社は全部輸出を目的としている会社なんですよね。つまり、マーケットが国内でなく海外なんですね。まあ、当たり前だけど。

でも、じゃあ、これらの会社はどうやって営業しているのでしょうか?どうやって自分の会社・取扱商品・それらのメリットなどを海外の会社に知ってもらえるのでしょうか?確かに交易会などに出展し、そこに来場した海外のバイヤーの目にとまればビジネスチャンスに繋がるでしょうが、海外の景気が悪くなり、今まで来てくれていたバイヤーの数が減ってしまったら、どうやって新しい取引先を開拓するのでしょうか?海外に出向いていって営業しているのでしょうか?いや、中国の人たちが海外に出るのってビザの問題などがあり難しいはずです。

と、ここで考えたのが、園芸店です。

日本国内の園芸業界のマーケットボリュームが一時期の3割以上減ってしまっています。量販店にしても専門店にしてもどうすれば売上を伸ばすことができるのかを真剣に考えています。弊社でお取引いただいているお店でも色々な試みが行なわれています。

しかし・・・

そうなんです。お店に来てくれた方々への提案などは色々な方法があるんですが、まだお店に来てくれていない方々にどうやって情報提供し、お店に来てもらえるようにするか、が課題なのではないでしょうか。例えば、新聞の折り込みチラシの効果は花を好きな消費者にはあるでしょうが、花に興味のない人には全くと言っていいほど効果はないのではないでしょうか。10月中旬になると関東ではほとんどのお店がガーデンシクラメンやパンジーを売り出しますが、それを知っている消費者がどれくらいいるのでしょうか?お店に来てくれている方々は勿論知っているのでしょうが、お店に来た事のない方々が「ああ、もう10月中旬だからガーデンシクラメンを買わなきゃ」って思ってもらえると良いですよね。

今お店に来てくれているお客様たちも、景気が悪くなれば買い物してくれる金額が減ってしいますし、また、常連客もだんだん高齢化してきますから新しい若い常連客を探していかなければならないわけですよね。まあ、一部の専門店にはカッコいい店員さんがいてそれだけでコマーシャルになっていたり、また、メディアで紹介されているお店などもあるんですが、それはかなり例外だと思いますよね。

お店に来てくれる方々へのマーケティングは勿論大事ですが、花に興味がなくお店に来た事のない方々へのマーケティング方法は難しいですよね。でも、それができたら効果は大きいでしょうね。


添付した写真はシカゴ郊外にある「ゲッセマネ・ガーデンセンター」のお店の近くの道路です。このお店がボランティアで近所の道路脇を飾っているんだそうです。綺麗なお庭のようですね。町の人達も嬉しいでしょうね。

2012年9月30日日曜日

アメリカの革命的ガーデンセンター




アメリカの業界紙、Today's Garden Centerでは、毎年、「全米の革命的ガーデンセンター・トップ100」を発表します。これは、ガーデンセンターが申込み、出版社からの質問に答え、それを数値化して順位を決められるイベントです。毎年、私はここで良い評価を得るガーデンセンターを、何件かピックアップして訪問します。

http://www.todaysgardencenter.com/revolutionary-100/

今年も、来年用の募集が始まったので、どんな質問事項があるのかを見てみました。100項目以上あるのですが、ちょっと面白そうなのを書き出してみます。


*現在どの様に店舗経営の勉強をしていますか?
*現在どの様に植物の勉強をしていますか?
*何人のお客様のメルアドを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人のお客様の住所リストを持っていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*何人からfacebookで「いいね!」をもらっていますか?(1,000以下、1,000~5,000、5,001~10,000、10,001~20,000、20,000以上)
*地域新聞で何回取り上げられましたか?
*地域社会貢献をどの様におこなっていますか?
*地域の集まりにお店を開放していますか?
*季節店舗(春のピーク時のみ近所の駐車場等にオープンする簡易店舗)を何店舗持っていますか?
*どれくらいの頻度で店外ディスプレイを変えますか?店内ディスプレイを変えますか?
*あなたのお店が他のお店に比べて「改革的」なところは何処ですか?
*お客様に対して、どのようにSNSを有効利用していますか?
*経営に関して、どの様な事を他の販売店に教えてあげることができますか?
*POSシステムの有効的な使い方について説明してください。
*養生農場の面積を教えてください。
*在庫管理対策を教えてください。
*商品別の棚卸回転率を教えてください。
*従業員のトレーニング・プログラムを説明してください。
*従業員のトレーニングに年商の何パーセントを使っていますか?
*経営者のトレーニング・プログラムを説明してください。
*どの様なコンサルタントサービスを活用していますか?(会計、弁護士、資金繰、営業、マーケティング、建築、ディスプレイ、人事、など)

さて、このブログを読まれているお店の方がいらっしゃったら、これらの質問をどの様に感じられるのでしょうか?大変興味があります。

写真はこの夏に訪問したポートランド・ナーセリーの売場の一部です。このお店では多肉の楽しみ方提案をしていました。

2012年8月16日木曜日

MONROVIA



Monroviaという会社をご存知でしょうか?一度でもアメリカに行かれたことがある方ならばご存知だと思います。アメリカを代表するシュラブや宿根草の生産販売会社。簡単に言えば、PWの造園版です。

昨日付けのToday's Garden Centerを読むと、この会社のマーケティングに対する考え方が良く分かります。

2010年まで専門店向けに販売をし、マーケットをある程度網羅した後に、特定の量販店への卸しを始めました。そして、来年からは更に取引量販店を増やしていくとの事です。

Monroviaのカタログを見ると、本当に沢山の商品を扱っているのですが、以外とノンパテント商品が多いんですね。そして、それら大量の商品を上手に組み合わせてい、色々な提案を販売店に対して、消費者に対して行なっています。彼ら曰く、「私たちには沢山の商品と沢山の提案があるので、いくらでもマーケットを作る事はできる。」とのことです。

彼らの戦略には明確なルールがあります。
1、新商品は専門店のみ。量販店では特別な品種を扱うのではなく、一般的な品種を低価格で扱う。(生産者側も販売店側も、ちゃんと自分のマーケットを理解している。)
2、専門店・量販店とプリントポットやラベルを使い分ける。
3、量販店は1社ずつ取引を開始し、その量販店のマーケットを構築してから、次の量販店と取引を始める。(安易な売込みではなく、長期的な取引を目的として、お互いが一緒になって店頭での販売方法を模索しながら取引量を増やしていく。)

まあ、非常にもっともな事なんですが、日本ではこのように考えてマーケティングする生産者、仕入れるバイヤーがどうも少ない様に感じます。

2012年8月11日土曜日

花はもっと売れる様になるんでしょうかねぇ?




消費税の引き上げ法が成立してしまいましたね。

オリンピックに国民が浮かれて、みんなの意識が他にある時にこういう法案がさっさと通ってしまうっていうのは、毎度の事ながらホント姑息だと思いますね。

通常の企業であれば、抜本的な社内改革をして身を切りますよね。「無駄を省く」なんて甘ったるい考えでは会社はつぶれちゃいますよね。そして、なんとかやっていける体制にしてから、営業を伸ばしていきますよね。最近の日本航空などは良い例だと思いますが。ところが政治家ってそういう経営センスや危機感が皆無だから、すぐに安易な解決策を正当化して逃げる。経済アナリスト達でさえ、自分で会社を経営した事もなく、机上の理論だけで判断するので「背水の陣」のホントの意味が分からない。・・・まあ、こんな人達をまともに相手にしようにも屁理屈・ヘリクツ・へりくつばっかり並べて話にならないですがね。一般の会社だったら、ヘリクツばっかり言っていて、結果を行動で出せない社員ってダメ社員でしょ?

さて、文句はこれくらいにして・・・・。

消費税が上がると、消費者の財布のヒモはもっと固くなるんでしょうね。そうすると、花の消費はもっと下がるんでしょうか?下手すると、私たち園芸業界に携わる者達には死活問題にもなり兼ねないですよね。

欧米の人たちに聞くと、今景気が悪くて花が売れないかって言うとそうでもないらしいんです。「旅行に行けなくなったり、大きな買い物が出来なくなったりして、安価で気軽に楽しめるガーデニングは逆に人気が集まっている。」なんて話をよく聞きます。へぇ、そりゃすごい!じゃあ、日本の園芸業界も未来は明るいじゃん!って、そんなに楽観視していられるのでしょうかね?

うちの話なんですが・・・、
まあ、私の会社もそんなに潤っているわけではないので、ここ数年、私の給料は上がっていません。ただ、子供達に使うお金はだんだん増えてきています。家庭の中でも絶対必要経費はありますから、それらを削減しようにも限度があります。そうすると、うちの家内の場合、「旅行に行くのは高いから、ガーデニングを楽しもう」というような手軽な娯楽に切り替えるという発想はないみたいで、「旅行に行くのは高いから、やめる!」となってしまいます。勿論、私としては家に花が無いのは如何ともしがたいわけで、どうするかと言うと、私の小遣いから出すわけです。ハァ・・・。

もう何年も継続して花卉業界は衰退を続けているわけですが、こんな状態で、明るい未来はあるんでしょうかねぇ?

2012年7月17日火曜日

食品スーパーから学ぶ




今日は、私の住む柏市で高級スーパーマーケットを経営されている石戸社長の紹介で、ディトンにあるDorothy Lane Marketというスーパーマーケットに行ってきました。

このスーパーマーケットはアメリカで最も成功しているスーパーマーケットとしてビジネルモデルにされるほどの素晴らしいお店です。青山紀伊国屋スーパーと銀座三越のデパ地下が一緒になった様な感じ、と言えば分かってもらえると思います。でも、立地は普通の住宅街です。価格も普通です。

ディスプレイ方法とか、エンターテイメント的要素とか、スタッフの顧客に対するパーソナルサービスとか、こだわりの食材とか、色々勉強になることはありましたが、この売場を2時間半ず~っと観察していて、私がいつも探していたモノが見つかりました。1つの店舗の中で、上手に違うレベルの消費者をみんな満足させているのです。

1、料理の材料を自分で選んで買って行き、自分で料理する消費者。(まあ、これは当たり前ですね。)
2、料理の材料を自分で探すが、お店が料理してくれる。(なんと、お店の中にキッチンがあり、食材を買えばその場で料理してくれるんです。しかも無料で。)
3、お店が料理別の材料セットとレシピを準備してくれ(野菜や肉は既に切ってある。作るのが難しい料理は下ごしらえまでは済んでいる。)、仕上げは自分で作る。
4、デパ地下のお惣菜屋さんが沢山並んでいて、色々な出来合のおかずやお菓子などが選べる。

この4つの提案、やもするとどれかが手抜きになり、安っぽい提案になるのですが、どれも店全体のイメージを損なう事なく、上手に自己主張していました。今まで何十年と子供を育ててきた熟練の年配主婦も、共働きで仕事が終わってからお店に寄る40代の主婦も、新婚ホヤホヤの若奥様も、仕事場を抜け出して昼飯を買いにきたサラリーマンも、学校の部活帰りの子供達も、誰もが楽しんで、満足する経験が出来る、そんなお店です。

全然話は変わりますが、有楽町にニューキャッスルという昔から有名なカレー屋さんがあります。(立ち退きのため、今月で閉店らしいですが)以前、店のマスターがテレビの取材に答えていたのを思い出しました。インタビュアーの「人気の秘訣は何ですか?」という質問に答えて、「いろんな人の味の好みは違います。でも、サラリーマンもお年寄りも子供もみんなが好きな味があるんです。カレーは大衆食なので、みんな好みがあります。誰かが好きな味ではなく、みんなが好きな味を提供するのが長続きできる秘訣だと思います。」という様な話をしていたのを思い出しました。

さて、園芸店でも、
1、自分で花苗を買って行って、自分でプランターや花壇を作る消費者。
2、自分で花苗を選ぶが、お店が寄植えを作ってくれる。
3、園芸店が材料を準備してくれるが、自分で寄植えを作る。
4、店が作った寄植えプランターを購入する。
こんな販売方法があると思います。でも、これらの4種類の販売方法(=4種類の消費者)を同じ売場で満足してもらう為には、お店側の上手な提案とそれをフォローするスタッフが必要なのかなあ?・・・なんて事を考えました。勿論、消費者側からお店のスタッフに対して「こうして欲しい」なんて要望が出てくるとは思えません。特に初めて花屋に来る様な消費者からは。まして、お店の店員が初めて花を買いにきた人に「何かお探しですか?」なんて声をかけたら、そのお客さんは逃げちゃいますよね。
ですから、この様に、違うレベルの消費者に同じ売場で満足してもらえる様な販売方法を模索していかなければならないと思います。勿論、これは量販店のやる事ではなく、専門店だから出来る事だと思います。

2012年6月15日金曜日

どうして園芸人口増えないの?



ずっと前から不思議に思っていることがあります。私たちって、園芸人口が増えない事を悩みながら、園芸人口を増やす為の試みをしているのでしょうかね?

園芸ビギナーって専門店にはあまり行きませんよね?多分ほとんどのビギナーは量販店に行きますよね?

一部の特別な量販店はともかく、一般的な量販店でビギナーの人達は何を買ってどうすれば園芸を楽しめるのか分かるんでしょうかね?

店に教えてくれる人がいないから、自分で勉強するのですかね?わざわざ勉強しますかね?

ビギナーの人達がカットパックやカットパックに毛が生えた様な花壇苗を買って、何%の人が成功するんでしょうかね?

ビギナーの人が切り戻ししますかね?花ガラを取りますかね?肥料を与えますかね?殺菌剤・殺虫剤を散布しますかね?

ビギナーの人達に必要なのは、今年発表されたばかりの新しい品種ですかね?それとも、誰でも比較的簡単に楽しめる品種ですかね?

ビギナーの人達は量販店に行ったらどうすればいいんですかね?どういう商品が、無人販売の量販店に来るビギナーの為に必要な商品なのですかね?



一方、専門店にはビギナーを育てる役目はないのですかね?

量販店に教える人がいないんだから、専門店がビギナーを育てなければならないじゃないか!と思うのは私だけですかね?

一般的に、「専門店は敷居が高い」とビギナーの人達は思ってないのですかね?

専門店は、今まで花屋さんに行った事のない人を呼び込む活動をしているのでしょうかね?

花に興味がない人が「園芸教室」見に来ますかね?花を知らない人が「競り」に参加しますかね?楽しいイベントですが、それは趣味家向けですよね。

専門店で行なっている、ビギナーの為のイベントって何ですかね?



子供に対する『花育』ってのに、いつも違和感を感じています。勿論大事な事なんだけど、やはり家庭環境って大事ですよね。親が花を買わないのに、子供が小遣いためて花苗を買いますかね?第三者に一時的に花育をしてもらうよりも、親に継続的に教えてもらう方が良いですよね。親が花を楽しむ家庭の方が、子供も自然に花を楽しむ様になるんじゃないでしょうかね?じゃあ、子供への花育も大事だけど、彼らの親達への花育はもっと大事なんじゃないでしょうかね?それでは、親に対する花育は誰がするのでしょうか?

量販店はいろんな物売っているので、新しい消費者を作るチャンスは結構あると思います。ですから、その人達を振り向かせるディスプレイ方法と、簡単に成功する商品の提案が必要ですよね。スーパーでただ野菜と肉を売るのではなく、料理し易い様に切った野菜をクックDoみたいなソースと一緒にセットで売ったり、または、出来たお惣菜を1人前ずつ小分けにしてパックで売り「お皿に盛りつけるだけで完成」の様な提案ですよね。

専門店は、それに加えて今まで花を買った事のない人にわざわざお店まで足を運んでもらうしかない。大変ですよね。以前訪問したアメリカのガーデンセンターでは、無料バーベキューパーティーを行なったり、ケンタッキーダービーのイベント(ケンタッキーダービーで勝った馬は、バラのレイを首に掛けるらしい)を行なったり、ハーブを使った無料料理教室を行なったり、子供向けの無料イベントを行なったり、ホント色々仕掛けていました。本当に大変な努力をしている様ですが、でも、来てもらっちゃえば、量販店よりはリピート率を上げる事はできるわけですよね。


まあ、昨日ドイツのガーデンセンターをブラブラしながら、またそんなことを考えてました。

2012年5月13日日曜日

母に改めて感謝


今日は教会で、母の日の特別礼拝がありました。毎週教会では礼拝時に「週報」という礼拝や行事等に関することが書かれた資料を配るのですが、その中に、今日は親子の愛情を再認識させられる素晴らしい話がありました。今から約37年ほど前に、ある母子が書いた詩のやりとりです。

この詩の作者は山田康文くんといいます。生まれた時から重度の脳性麻痺で、全身が不自由で書くことも話すことも出来ませんでした。 養護学校の向野先生が康文くんを抱きしめ投げかける言葉が康文くんのいいたい言葉の場合はウインクでイエス、 ノーの時は康文くんが舌を出す、この作業の繰り返しで詩を書いたそうです。出だしの「ごめんなさいね おかあさん」だけで1ヶ月かかったそうですから、気の遠くなるような作業を経て、この詩は生まれたんですね。


ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう 
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを 
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる 
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

康文君の詩を、先生が彼の母親に見せた時、お母さんは無言でした。彼女はただ目頭を押えて、立ちつくしていたそうです。

そのお母さんから先生に、『私の息子よ』と題した詩が届いたのは、次の日のことでした。

私の息子よ 許してね
私の息子よ 許してね
このかあさんを 許しておくれ
おまえが 脳性麻痺と知った時
ああ、ごめんなさい!と 泣きました

いっぱいいっぱい 泣きました
いつまでたっても 歩けない
おまえを背負って歩く時
肩にくい込む重さより
「歩きたかろうね」と 母心
「重くない?」と 聞いている
あなたの心が せつなくて
私の息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたの姿を見守って
お母さんは生きていく
悲しいまでの 頑張りと
人をいたわるほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性麻痺の わが息子
そこにあなたがいる限り

この詩に表されたお母さんの心を受けとめた康文君は、また詩作に励みました。
ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい 
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

そしてその2ヶ月後、康文くんは亡くなりました。

この詩を読まれて、目頭が熱くならない方はいないと思います。

私もこの詩を読んで、自分が子供の頃の母との思い出がたくさん、たくさん甦り、しばらく、しばらくボーッとしました。母に改めて感謝をしました。

2012年5月2日水曜日

マーケット・リーダー



今、育種農場を廻っています。
昨日訪問したPAC社で沢山の育種途中のゼラニウムを見てきました。PAC社は現在ゼラニウムの育種能力では世界一だと思います。育種農場を廻りながら担当者と育種についての話をしました。4~5年で満足する品種が出来る事もあれば、その一方、20年近くも育種を続けていても完成しない品種もあります。なんでそんなに時間がかかるのかを聞きました。

「今の育種法では他の人の材料を使う事も可能だ。しかし、それでは、それ以上の品種を作ったとしても「2番煎じ」のレッテルを貼られてしまう。自分たちで材料を作りながら新しい品種を作っていく為には一朝一夕で良い品種は出来ない。」

おお、現場の人からいわれると説得力があるなあ。

以前、ポールセン・ローズがなぜ優れているのかのモーン・オルセン氏に理由を聞いたことがあります。それは、100年以上かけて集めた材料だそうです。このことはコルデス社のティム・ハーマン・コルデス氏も同じ意見でした。(ライバルなのに認め合ってるって、カッコいいですね!)実際、この2社のバラに比べると、F社のバラは、綺麗な花は沢山発表しても、品質面ではイマイチ(あまり悪く書くと怒られそう)と言われています。

ポインセチアで有名なポール・エッケが書いた本で知ったのですが、ちょっと前に一世風靡したウィンター・ローズという品種がありますが、あの品種はポール・エッケが1920年代の後半に自社の育種部屋で発見してから約80年後(なんと、孫の代になってから)に新しい品種として発表されたんですね。なのに、発表されるや否や、フィッシャーやデューメンもこぞって似た様な品種を発表してきましたよね。

勿論、これは何の問題もありません。しかし、業界やマーケットにどの様に見られるのか?PAC社の育種担当者が気にする「2番煎じのレッテル」がついてしまうことが、会社にとってデメリットにならないか?

ちょっと話は変わりますが、アメリカではサントリーのサフィニアはPWのスーパーチュニアに勝てないと今でも言われています。その理由は、アメリカで発表されたのがスーパーチュニアはサフィニアより半年早かったからだと言われています。育種はサフィニアの方が早かったのですが、ぐずぐずしているうちに、アメリカではスーパーチュニアが早く認知されてしまったんです。スーパーチュニアが栄養系ペチュニアなんだ、と思われたわけですね。日本で作られた技術をアメリカに教えたくない、とかいう遅れた島国根性が災いしたんですね。

マーケット・リーダーになる為には、何が必要なんでしょうかね。やはり、みんなから『ホンモノ』と認めてもらえる事でしょうかね。

2012年4月25日水曜日

今年はオレンジばっかりですね!




まずは、このサイトを見て下さい。

gpn magagineに書かれていた、今年のカリフォルニア・スプリング・トライアルズでの流行色は、パントンが今年の流行色に選んだタンジェリンタンゴという名前のオレンジ色に沿っている、とのことです。

上記のサイト上では、先日のトライアルで紹介されたオレンジ色の花の品種が沢山紹介されているので、英語が読めなくても意味は理解してもらえると思います。


パントンのサイトも、ついでに見て下さい。
今年の流行色は「タンジェリンタンゴ・オレンジ」ですと、紹介されています。


その他、今年の7月のオハイオ・ショートコースのホームページです。
オレンジを基本色にしています。

8月のIGCショーのホームページです。
ここでもオレンジ色が基本に使われています。


これらを見ていて感じました。花もファッションやインテリア等と同じ流行色があり、それを抑える事により、消費者のライフ・シーンにすんなり入り込むことができるという事なんだろうなあ。やはり、消費者のトレンドを理解する事は必要なんですね。洋服も、持ち物も、家の室内装飾も流行を追っているのに、花が流行遅れだと、消費者に、他の日用品と一緒に扱ってもらえないですよね。

写真は、PWが展示していた、「オレンジのテーマの庭」です。